機械学習によって配信最適化を行うサービスが多いなか、RTB House は、情報の蓄積から定義づけ、チューニングまでを全て機械が行う AI深層学習(ディープラーニング)を活用する唯一の広告配信サービスとして世界各国で支持を集めています。
この記事では、RTB House の強みからポスト Cookie 時代に嬉しい最新機能まで詳しく解説します。後半では、ダイナミック広告を簡単 & 効果的に運用するカギである「データフィード」についてもふれていますので、導入にハードルを感じている方も必見です!
※セミナーを開催した 2021 年 11 月 17 日時点の情報です。
RTB House の基本をおさらい
RTB House は、AI 深層学習(ディープラーニング)を活用した広告配信サービスです。
2012 年にポーランドで創業し、2018 年に日本法人を開設。現在は世界 45 ヶ国でサービスを展開し、広告主は全世界で 1,500 社を超えます。中央ヨーロッパでは広告主のリピート率 99% を誇り、後発ながら規模・満足度ともに高いことが伺えます。
最大の特徴は、ディープラーニングによる最適化が可能な唯一の DSP であること。
ユーザーのサイトへの来訪歴のみならず来訪元や滞在時間、カートに入れる際の行動などあらゆる情報を一元管理し、ディープラーニングによって行動を予測します。その予測から、 CV につながるクリエイティブを自動生成し、ダイナミックリターゲティング広告を配信します。
国内実績
主に実績をあげているのが、以下の 4 つの業界です。
各業界上位を占める企業にも多く導入されています。
- ファッション・アパレル
- 旅行
- 不動産
- 人材
その他、金融業界やモール、クラウドファンディング、ふるさと納税の企業でも実績があります。
サービスの全体像
今回取り上げるのはダイナミックリターゲティング広告ですが、RTB House では動画ブランディング広告やアプリのリテンション広告も提供しています。
- 動画ブランディング広告
2020 年に提供開始した、認知獲得に特化したメニュー
詳しくはこちら:RTB HouseがAIを活用した新製品Streaming Video Adsを発表
- アプリのリテンション広告
アプリの休眠ユーザーに利用の再開を促したり、サイト内での購入を促すメニュー。アプリ内のリターゲティング広告ともいえます。下記の SDK と接続可能です。
気になる強みは「CV 純増」と柔軟な課金体系!
次に、気になる強みやメリットを見ていきましょう。
強み①:CV 純増
RTB House のダイナミックリターゲティング広告最大の強みは、ディープラーニング(※)によって他の媒体では取りこぼしていたユーザーにアプローチし、CV を純増できることです。
※人工知能(AI) の中でも最新の技術で、多くの媒体で使われているマシンラーニング(機械学習)よりも人間の脳に近い動きが可能
成功事例
以下のグラフは、Google アナリティクスで取得したアパレル企業での実績です。
リターゲティング広告の代表格である Criteo や Google と遜色ない CV 数を獲得しただけでなく、ROAS についても、導入後 1 ヶ月で他媒体を上回る水準まで急上昇したことがわかります。
リターゲティング広告の媒体を追加される際に、「実施中の媒体の CV が減って、その分が 新規媒体でとれるようになるだけでは」と懸念される方は多いかと思います。しかし、RTB House は CV を純粋に上乗せできる媒体であり、今予算を割いている広告媒体と食い合ってしまう心配はありません。
CV 純増が可能なワケ
RTB House が CV を純粋に増やすことができるのは、機械学習ではなく深層学習を活用しているからです。
機械学習も深層学習も、膨大なデータを収集・分析して定義づけを行い、その定義に基づいて最適化していくという流れは同じです。しかし、定義づけを誰が行うかという点が異なり、機械学習は人間が行い、深層学習は機械自身が行います。
アルゴリズムの違いを詳しく見てみましょう。
これまでのアルゴリズム
一般的なアルゴリズムの場合、線形分析で表される手法で配信を行うため、直線を描くように学習が進められます。このため、サイトの訪問回数と購入確度については、サイトの訪問回数が多いほど購入確度があがるという分析が行われます。
RTB House の場合
AI深層学習を使う RTB House のアルゴリズムは曲線を描くように学習します。その理由は非線形な分析手法。これにより、「サイト訪問が 5 回を超えると購入確度が一気に上がる」「10 回を超えると購入確度は平坦になる」などの直線では捉えられない不規則な動きも判断することができます。
ユーザーの動きは複雑であるため、直線形の学習では取りこぼしてしまうユーザーが少なくありません。RTB House の分析手法はそれらのユーザーにアプローチできるため、新たな CV の獲得が期待できます。
下図は、RTB House と Criteo を配信する場合のターゲティングのイメージです。赤枠は RTB House のみで、青枠は RTB House と Criteo の両方で、黄枠は Criteo のみでリターゲティングされているユーザーを表しています。
RTB House を活用することで、他の媒体では効果がないと判断されたユーザー(赤枠)にもリーチできるようになるため、配信面が同じでもリーチを増やし機会損失を減らすことができます。
強み②:柔軟な課金体系
目的に応じて選択できる柔軟な課金体系も、RTB House の強みのひとつです。
前提
RTB House は、ラストクリック型を採用しています。つまり、CV の直前に接触したバナーが RTB House だった場合のみ、CV とみなします。なお、ポストクリック型(CV に至るまでに接触した全てのバナーを CV とみなす方法)に変更することも可能です。
アトリビューションウィンドウは原則 30 日ですが、自社の広告効果測定ツールの設定に合わせて柔軟に設定することができます。
4 つの課金モデル
RTB House では、4 つの課金モデルを用意しています。
- CPS(=ROAS)課金
- 成果保証型
- CPA 課金
- 成果保証型
- ダイナミック CPC 課金
- 推奨
- CPC 課金
- 配信効率が悪いため非推奨
成果保証型の計算方法
成果保証の 2 つの課金モデルは、以下のように計算を行います。
成果保証型の 3 つの注意点
魅力的な成果保証型ですが、意外な落とし穴も。以下の 3 点に注意が必要です。
- パラメータによる乖離
RTB House ではパラメータベースでラストクリックを判断します。
そのため、RTB House のバナーをクリックしたユーザーが一度離脱し、その後オーガニックや直接流入で CV に至った場合、これを RTB House 経由の CV とみなします。しかし、計測ツールではこの CV はオーガニックや直接流入とみなされるため、ここに平均 20~30% の乖離が生じます。
- 入札の市場原理
配信面は他の主要な広告媒体と概ね同じであるため、市場の入札原理を踏まえて目標を設定することが大切です。
実施中の他の媒体で出ている成果から大きく外れた CPA や ROAS を目標値にすると、資金不足で入札に負けてしまい imp が出にくくなります。その結果、学習が進まず、CV が出ないという悪循環に陥る可能性があります。
- ディープラーニングの仕様
ディープラーニングが学習するのは、RTB House 経由で CV に至り、課金が生じたタイミングです。つまり、入札の段階では RTB House が imp を出すための費用を立て替えているため、CV が発生するまでの間、赤字の状態が続きます。なかなか CV に繋がらず赤字状態が続くと、自動的に保守的な運用になるため、 imp が減ってしまいます。
これらの理由から、RTB House は ROAS / CPA の成果保証型モデルは推奨しておりません。代わって推奨されているのが、ダイナミック CPC 課金モデルです。
ダイナミック CPC 課金とは
ダイナミック CPC 課金(以下、dCPC 課金)は、CV の獲得状況によって柔軟に CPC を確定する課金モデルです。
dCPC 課金モデルはクリックされたタイミングで費用が発生するため、赤字状態が短くなるため、ディープラーニングが低リスクであると判断し、積極的に配信されます。
成功事例
成果保証型から dCPC 課金に切り替えたことで、広告成果が改善した事例を 2 つご紹介します。
いずれも、RTB House と計測ツールとの乖離率が変動するため、ツール上で安定的に CPA を達成するのが難しいことや、戻り CV(※)などで配信ペースをコントロールしにくいという課題がありました。
※広告経由の CV が広告を最初にクリックした日から 30 日以内(もしくは設定した計測期間内)であれば、最初のクリックが行われた月の CV として見なされること。
- 事例①(人材)
CPA 成果保証型から切り替えた結果、ツール上の CPA が 20% 以上改善しました。また、均等に配信したり、特定日に配信を強化したりなど、配信ペースをコントロールできるようになりました。
- 事例②(アパレル)
ROAS 成果保証型から切り替えた結果、ツール上の ROAS を 60% 以上改善し、ROAS 300% という目標を大幅に上回る運用を実現しました。また、事例①同様、配信ぺースをコントロールできるようになりました。
Cookie なしでも精度を維持する RTB House の独自機能とは
Cookie を使わないターゲティング手法
プライバシー保護の観点から各ブラウザで Cookie の廃止・制限が進んでいるポスト Cookie 時代。Cookie を使わずにターゲティングする手法として、以下が挙げられます。
- 1 対 1 の ID ベース
- パブリッシャー固有の識別子 / データ
- パブリックインダストリー / コンソーシアム識別子
- データクリーンルーム(CDP)
- ID を使わない
- コンテキストターゲティング
- グループベース
- Google Chrome のプライバシーサンドボックス
上記の 5 つを、利用データやリーチの観点で比較したのが下の表です。
グループターゲティングを行う Google のプライバシーサンドボックスは精度・リーチともに高い水準を満たしており、RTB House はこれにフォーカスして新たな技術を提供しています。(後述)
グループターゲティングとは
グループターゲティングについて簡単にご説明します。
これまでは、自社サイトで付与した Cookie(1st party cookie)と、広告プラットフォーム側で付与した Cookie(3rd party cookie)を照合することでユーザーと特定し、プラットフォームが連携している配信面に広告を表示させるという仕組みで、ターゲティング広告を配信していました。
しかし、1 対 1 で紐づけるためユーザーが特定されることが、プライバシー保護の観点から問題視されるようになりました。
そこで登場したのが、グループターゲティングという手法です。データの格納場所や、ターゲティングの単位が異なります。
サイトの各ページに埋め込まれたタグをベースに、ブラウザでデータを蓄積しておきます。対象ユーザーが広告枠のあるサイト(SSP)を訪れると、そのユーザーが属するグループ単位でブラウザから RTB House にシグナルが飛び、最適なバナーを表示させるという仕組みです。ユーザーは閲覧したページごとにグルーピングされるため、個人が特定されることはありません。
精度を維持する RTB House の機能
グループでターゲティングすると、ユーザーレベルでターゲティングしていたこれまでより精度や効果が落ちるのでは?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
RTB House では、Cookie によるターゲティングと同レベルの精度を維持するため、2 つの機能を提供しています。
- プロダクトレベル TURTLEDOVE(PLTD)
よりパーソナライズされたレコメンデーションを可能にする機能で、ダイナミックリターゲティングの最適化でも活用されます。RTB House の調査では、このパーソナライズ効果は Cookie による場合の 94.5% と、高い精度を維持できることがわかっています。
- 成果ベース TURTLEDOVE(OBTD)
グループベースでプライバシーを保護しながら、ユーザーレベルでの入札精度を実現するための入札機能で、効果的な予算配分を可能にします。入札効果 99.98% と効果をほとんど落とさず配信できます。
RTB House を簡単に始めるコツは「データフィード」にあり!
ここまで読んで、「RTB House の魅力はわかったけど新規媒体を始めるのが面倒…」「必要なデータを用意するのに時間がかかるから今はいいかな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
RTB House などのダイナミック広告は、
- 商品情報を広告媒体に提供する(データフィードを作成・連携する)
- 動的に値を取得するためのタグを設置する
- キャンペーン設定を行う
- 広告配信を開始する
という仕組みになっており、各段階でハードルがあります。
例えば、以下のようなことが挙げられます。
1.やる / やらないの判断
・費用対効果の検討
・稟議の手間
・シミュレーションの作成
2.データフィードの作成
・媒体の仕様確認
・(外注の場合)見積もり・発注
・管理・運用体制の整備
3.タグの設置
・担当者やベンダーとのコミュニケーションコスト
・設置や管理にかかる工数
4.広告運用(自社で行う場合)
・リソースの確保
・媒体情報のキャッチアップ
このうち 1,3,4 は各社の状況によって最適解が異なるため、難易度が高いといえます。対して 2 のデータフィードの作成やその後の管理・運用については、多くの企業に共通する、コストをぐっと下げるための方法が確立されています。
そのため、媒体追加にハードルを感じている場合は、まずデータフィードに関する課題を解消することをオススメします。
今の管理環境で問題なく配信できている場合も、定期的に見直すことでコストをさらに減らし、新規媒体にチャレンジしやすい状態を実現できるかもしれません。
データフィードの基本とよくある課題
押さえるべきポイントを解説する前に、データフィードの基本をおさらいしましょう。
データフィードとは、各媒体が定めるフォーマットに合わせて変換・加工したデータファイルや、そのデータファイルに変換する仕組みのこと。
EC サイトをお持ちであれば、サイト構築のために商品データをお持ちかと思います。広告を配信するためには、その商品データを各媒体が指定した形式に変換する必要があります。
データフィードについてよくある課題として、以下が挙げられます。
- 作成・改善に大きなコストがかかる
自社でシステム開発したり、制作会社に外注してデータフィードを管理する場合、商品データを用意してから配信開始するまでに多くの工程と時間が必要です。また、担当者間でやりとりが発生するため、コミュニケーションコストも大きくなります。
作成時だけでなく改善の度に同じ負荷がかかるため、改善スピードが落ちてしまう懸念もあります。
- 管理が属人化し、担当者の負荷が高くなる
データフィードを Google スプレッドシートで管理したり、手動で連携している場合、作業が複雑になり属人化しやすくなります。新規媒体を追加する際に特定の担当者への負担が集中し、媒体追加を断念せざるを得なくなります。
また、担当者の不在・退職時にエラーへの対応が遅れたり、エラーを避けようとして改善が進まなくなったりするリスクも考えられます。
このように、データフィードの管理環境が整っていないことは、新規媒体を始めるうえで大きな足かせになります。
RTB House を始めとする優秀な広告媒体は多くあり、今後も媒体やメニューが増えていくと考えられます。それらを競合が少ない早期に導入し、攻めの施策を続けるためには管理環境を整えることが必要不可欠です。
データフィード管理で押さえたいポイント
以下のポイントを押さえることで、データフィードを作成・改善する負担を減らし、新規媒体にチャレンジしやすくなります。
- 自動更新
更新を自動化して、更新作業の手間を減らしましょう。担当者の負担が減るだけでなく、高い更新頻度を維持することで不一致率の改善に繋がります。例えば、売り切れ商品の非表示、新商品の広告展開、セール価格やキャンペーンの反映を迅速に行うことができます。
- 設定や変更が簡単
やりたい改善を思いついてもすぐに反映できない環境は、機会損失に繋がります。
- システムリソースを圧迫しない
- 誰でも状況を確認できる
前任者が退職した時や、代理店からインハウスへ移行する際に、「設定がブラックボックス化していて、エラーが出るのが怖くて変えられない」という相談をよくいただきます。設定した時の状況や意図を誰でも確認できるようにし、属人化を防ぐことが大切です。
- 複数媒体を一元管理できる
dfplus.io のユーザーを対象にした調査では、平均 4.5 フィードを活用し、8 割以上が 2 つ以上の媒体を運用していることがわかりました。複数媒体の活用がデータフィード施策の定石となっている今、媒体を増やしても管理コストを増やさない仕組みが重要です。
- 媒体のことをよく知っているパートナーに相談できる
これらのポイントを実現することで、無理なくデータフィードの作成・改善ができるだけでなく、媒体追加のハードルを下げることができます。そこで選ばれているのが、管理ツールです。
成功事例
データフィード管理ツール「dfplus.io」を活用することで最小限のリソースで複数媒体を運用し、高い広告成果を実現した事例をご紹介します。
- 事例①:株式会社プリンシプル様
アパレル EC や人材業界を中心に広告運用を行うプリンシプル様では、案件の多くは予算の 3~4 割、中には 6 割をデータフィード施策に使っており、売上に占める割合や費用対効果の面からも優先度をあげて取り組んでいます。
運用媒体が増えたことをきっかけに、データフィードを一元管理できる dfplus.io に移行しました。その結果、データフィード作成の部分にかかる負担が大きく軽減されただけでなく、パフォーマンスを出すための設計も簡単にできるようになったそうです。
詳しくはこちら
- 事例②:レバレジーズ株式会社様
人材サイトの indeed と Criteo 広告をインハウスで運用しているレバレジーズ様は、ツールを導入したことでフィードの改善頻度が上がり、運用経験の浅い新卒 1 年目でも広告成果を大幅に改善することができました。
・Criteo:CPA 約 3/4 、CVR 1.5 倍、CTR も向上
・indeed:CTR が 175% に
PDCA をスピーディに回せるようになったことで、媒体の担当者からの提案を通じてノウハウや情報を得ることができるようになったり、データフィード広告を実施していなかったサイトに施策を横展開したり、システム部門がより優先度の高いプロジェクトに集中できるようになったりなど、多くの嬉しい変化があったようです。
詳しくはこちら
まとめ
ディープラーニングによる最適化という大きな強みをもつ RTB House について理解を深められましたか?
もっと詳しく知りたいという方は、ぜひ下記リンクからお問い合わせください。
RTB House などのダイナミック広告をに取り組むうえで、まず改善したいデータフィードについても解説しました。
低コスト・少ないリソースで新規媒体を始めたい方や、実施中だが成果に課題感があるという方はぜひ管理ツールの導入も検討してみてはいかがでしょうか?
以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。