2022年3月に実施された「dfplus.io Marketing Talk 2022」では、いま注目のプラットフォーム、サービス事業者が登壇し、「商品データの未来」について語りました。動画公開期間は過ぎましたが、登壇企業の同意を得て一部内容をご紹介します。
本記事では、株式会社バニッシュスタンダードによる講演「店舗スタッフ×商品データによるオンライン接客で、1つ上のショッピング体験を実現するSTAFF START」をレポートします。Head of SalesとしてSTAFF STARTの営業・マーケティングの責任者を務められる薄井崇史氏にご登壇いただきました。
※本記事はイベント登壇時の情報を元に作成しています。
※画像はイベント配付資料から引用しています。
- 消費者を取り巻く環境の変化:信頼できる情報源として「店舗スタッフ」が求められる時代に
- STAFF STARTとは:スタッフ投稿を通じて売上アップ、売上に応じてスタッフを評価
- STAFF STARTの導入事例:ECを中心に様々な業界で導入が進む
- STAFF START経由の売上は年間1,200億円を突破。月間500万人以上を売り上げるスタッフは600人以上
- 更に広がるスタッフ投稿の活用先:LINE STAFF START、STAFF START広告
- STAFF STARTが生まれた理由:店舗スタッフとECの間の対立関係を解消する
- スタッフDXを推進するためには、EX=スタッフの成功体験 が重要
- STAFF STARTが目指す「未来のEX」
- さいごに
消費者を取り巻く環境の変化:信頼できる情報源として「店舗スタッフ」が求められる時代に
近年、消費者を取り巻く環境の変化が起こっています。消費者が購買行動を行う際、かつてはTVや雑誌などがメインの情報源でしたが、近年では、SNS・ブログ・口コミサイトなどが中心となっています。
消費者は、TVや雑誌が中心だった時代に比べ、より身近で等身大の情報を取り入れられるようになりました。一方で、情報が多すぎるあまり、「どの情報を信頼してよいかわからない」「信頼できる情報がほしい」と感じる消費者も増えています。
そこで注目されているのが、「店舗スタッフ」です。店舗スタッフは、消費者にとって身近な存在であり、かつ、信頼のおけるプロでもあります。つまり、現在は、「店舗スタッフの発信する情報が価値を持ち、求められている時代」と言うことができます。
STAFF STARTとは:スタッフ投稿を通じて売上アップ、売上に応じてスタッフを評価

STAFF STARTは、バニッシュスタンダードが提供するスタッフDXサービスです。サービスの概要は以下の通りです。
- スタッフがコーディネート、レビューなどのコンテンツをサイトに投稿
- スタッフ投稿からの売上を計測・可視化
- 売上に応じてスタッフを評価
STAFF STARTについては以下の記事でも解説しておりますので、詳細が気になる方はぜひご覧ください。
STAFF STARTの導入事例:ECを中心に様々な業界で導入が進む
STAFF STARTの導入事例として、以下の企業が紹介されました。
- ベイクルーズ(アパレル)
- コーセー(化粧品)
- エノテカ(食品)
- AWESOME STORE(雑貨・インテリア)
- カシオ(腕時計)
- POKER FACE(メガネ・サングラス)
- Apish(ヘアサロン)
- ANNIVERSAIRE(ブライダル)
- 三越伊勢丹(百貨店)
- ニトリ(家具・インテリア)
- アルペン(スポーツ用品)
アパレルから始まったSTAFF STARTですが、現在では幅広い業界で導入が進んでいます。「スタッフが商品に情報を付加することで価値が生まれる業界では、STAFF STARTが向いている」と薄井氏は語ります。
STAFF START経由の売上は年間1,200億円を突破。月間500万人以上を売り上げるスタッフは600人以上

2021年のSTAFF START経由の年間売上総額は1200億円を突破しました。

また、スタッフの個人実績を見てみると、
- 月間1億770万円
- 年間7億6223万円
など、非常に大きな売上を生み出すスタッフもいることがわかります。
さらに、「一部のスタッフだけが売上を上げている」というわけではなく、
- 月間500万円以上を売り上げるスタッフは600人以上
- 月間1000万円以上を売り上げるスタッフの人数は200名以上
と、多くのスタッフがSTAFF START経由で大きな売上を生み出していることがわかります。
「これらのデータを見て、スタッフさんが持っている情報というのはすごく価値があるんだな、と改めて実感した」と薄井氏は語ります。
更に広がるスタッフ投稿の活用先:LINE STAFF START、STAFF START広告
スタッフが投稿したコンテンツをECサイト上以外でも活用できるよう、STAFF STARTは新たなサービスを展開しています。
LINE STAFF START
スタッフがLINEを使ってダイレクトに接客ができるサービスです。スタッフ個人がLINE公式アカウントを持ち、チャットやメッセージの一斉配信、ライブ配信などを行うことができます。
STAFF START広告
スタッフが投稿したコーディネート情報を、InstagramやFacebook等に広告として配信できるサービスです。通常の広告と比べて、CTR1.4倍、CVR1.9倍などの成果が出ています。
STAFF STARTが生まれた理由:店舗スタッフとECの間の対立関係を解消する
バニッシュスタンダードの創業当時、ECの構築を行っていた代表が、アパレルの店舗スタッフをしている友人から「ECなんて嫌いだ」と言われたことが、STAFF START誕生のきっかけでした。
「店舗スタッフはECが嫌い」という発言の背景にある事情とは何なのでしょうか。深掘りしていくと、店舗とECの間で利害が相反するような状況に陥りかねないことがわかりました。
たとえば、ECを強化すると、これまでお店に来ていた人がECで購入することがあります。すると、ECの顧客は増えても、店舗の顧客は減ってしまう…といった事態です。
このように、顧客を巡って店舗とECとはいわば対立関係に陥ってしまう可能性があります。
他にもEC注力に関連して、店舗スタッフと企業との間で、その立場の違いから認識の相違や対立が起きることもありえます。
- 店舗スタッフ「人員が削減されて売上が作れない」vs 企業「スタッフのリソースに余剰がある」
- 店舗スタッフ「給与が上がらない」vs 企業「仕方ない」
- 店舗スタッフ「店舗売上がECに奪われる」vs 企業「店舗を閉店させないといけない」
こういった課題を解決するために、STAFF STARTは生まれました。スタッフが投稿を通じてオンライン接客が出来る仕組みを提供し、EC売上への貢献をきちんと評価することで、「店舗やスタッフが在るからこそECの売上が上がる」という構図が生まれ、対立関係が解消されます。
スタッフDXを推進するためには、EX=スタッフの成功体験 が重要
近年、スタッフDXに取り組む企業は増えていますが、なかなかうまく行かない例も多くあります。たとえば、企業側がスタッフに対してSNS、ライブ配信、コーディネート、ブログ等の施策を要望しても、スタッフ側はモチベーションが上がらず、施策が定着しにくい、といったことが起きています。
スタッフDXを推進するためには、EXをきちんと設計することが必要です。
EXとは、Emproyee Experience = スタッフの成功体験を指します。ECにおける店舗スタッフの貢献をきちんと評価することで、EXが向上し、施策も定着しやすくなります。
EXを向上させるために、STAFF STARTは4つの仕組みを備えています。
1.スタッフ個人のEC売上を可視化
PVやLike数だけでなく、売上金額を管理画面上で可視化
2.スタッフにも各自の成績を公開
「自身の企業内でのランキング」や「投稿ごとの売上」を公開することで、「売れる投稿」を意識したPDCAを回せるように
3.売れたらプッシュ通知
自分の投稿経由で購入が発生した際に、アプリに通知が来ることで、店舗で売ったときと同じ「販売した喜び」が味わえる
4. 導入企業の評価インセンティブが増加
STAFF STARTは企業の評価設計の部分も支援を行っており、約7割の企業がECでの貢献に応じたインセンティブを付与している
EXを向上させることで、企業側にも以下のメリットがあります。
- 投稿回数の増加
- 投稿クオリティの向上によるCVRの改善
- フォロワー増加など、スタッフ個人の発信力が向上
- インセンティブ導入によってスタッフ経由売上が向上
STAFF STARTが目指す「未来のEX」
EXを向上させる上でもっとも重要なのは「評価」ですが、店舗と同じようにオンラインでの接客を教える「教育」と、販売スタッフひとりひとりに寄り添う「ケア」も重要です。
「評価」はきちんとできているが、「教育」「ケア」が十分にできていない例も多いので、今後は「教育」「ケア」の支援に力を入れていきたい、と薄井氏は語ります。

また、STAFF STARTは、「夢や希望を叶えることもEX」と考え、全国7万人の店舗スタッフからNo.1を決めるコンテスト「STAFF OF THE YEAR」を開催。2021年開催時は、受賞したスタッフ5名が東京ガールズコレクションをプロデュースしました。
「こうした活動を通して、”スタッフはカッコいい”というブランディングにつなげていきたい」と薄井氏は語ります。
最後に、「EXが溢れる世の中に」というメッセージで講演が締めくくられました。
さいごに
以上、「店舗スタッフ×商品データによるオンライン接客で、1つ上のショッピング体験を実現するSTAFF START」のセミナーレポートでした。
スタッフと企業、それぞれの立場に寄り添い、解決することで成果を上げるSTAFF STARTのコンセプトは素晴らしいものだと感じました。
STAFF STARTの導入にあたっては、スタッフ投稿と商品を紐づけるため、商品データを連携する仕組みを用意する必要があります。
dfplus.io はSTAFF START、LINE STAFF STARTに正式対応しています。

- STAFF STARTの詳細を知りたい
- STAFF STARTの導入を検討したい
- STAFF STARTで必要になる商品データについて確認したい
など、お気軽にご相談ください。
