EC の売上を伸ばすうえで、集客力とあわせて重要なのが、サイトの接客力を強化して購入率をあげることです。その方法の 1 つとして、 Instagram のユーザー投稿(UGC)をはじめとした「ビジュアルコンテンツ」の活用があります。
先日開催した「EC で購入率 3 倍!集客だけじゃない、接客力で売上に繋げる ビジュアルコンテンツ活用 入門セミナー」では、株式会社visumo に登壇いただき、ビジュアルコンテンツを活用して店舗と同じ接客を EC サイト上で実現する方法について解説しました。
セミナーでは、ビジュアルコンテンツを活用した事例を、実際の EC サイトを表示しながらご紹介しているので、アーカイブ動画もあわせてご覧ください。
第 1 部:EC で購入率 3 倍!集客だけじゃない、接客力で売上に繋げる ビジュアルコンテンツ活用入門(visumo)
第 1 部では株式会社visumo の千林様より、ビジュアルコンテンツをフル活用して接客力を高め、EC の売上につなげるノウハウを解説していただきました。
千林 正太朗 氏
株式会社visumo 取締役 ゼネラルマネージャー
株式会社エイトレッドでワークフローシステム事業(X-point・AgileWoreks)の立上げから営業責任者として組織を束ね IPO を実現。その後、セールスフォース・ドットコム(現セールスフォース・ジャパン)を経て 2019 年に株式会社visumo 立上げのタイミングでジョイン。セールス、カスタマーサクセス、テクニカルサポートを管掌。
ビジュアルアセットを EC サイトで活用するには
visumo は 700 社以上に導入されているビジュアルマーケティングツールです。
導入企業はアパレルが一番多く、家具、雑貨、コスメなどが続き、コロナで非常に伸びてきているのが食品関係です。その他に BtoBtoC の住宅建材や住宅販売、インバウンド需要が伸びているトラベル系(ホテル、観光、商業施設)、自動車メーカーでの活用も増えています。
ここに掲載されているロゴを見ると大手向けのサービスに見えますが、DtoC などスタートしたての企業にも導入されています。
visumo は 3 種類の機能を展開しています。
- social
Instagram 上投稿(ユーザー投稿・UGC、公式投稿)をサイト接客に活用する機能 - video
ECで商品の質感や機能性を直感的に訴求する自動再生動画などの機能 - snap
ECでスタッフ投稿コンテンツや特集ページを簡単に作成できる機能
visumo を EC サイトで活用する全体像をご紹介します。
まず、UGC やスタッフ投稿といったビジュアルコンテンツを visumo のサーバーに集約し、商品と連携します。その後、visumo から発行されるタグをサイト内に設置するだけで、ビジュアルコンテンツの活用が可能になります。
ビジュアルコンテンツの例
- 一般ユーザーの Instagram 投稿(ユーザースタイリング、UGC)
- ライブ配信やモデル着用動画などの接客動画
- スタッフのコーディネートやレコメンド投稿
これらのビジュアルコンテンツはトップページだけでなく、商品ページや特集ページ、LPでも活用することができます。
EC に必要な接客力を整理すると以下の 4 つがあります。
サイトに訪問したユーザーが、
- 迷わない(サイトデザインやテクニカルライティングなど)
- 待たされない(サイトスピード)
- 購入前の疑問・不安を解消できる(購入に自身を持てる)
- 関連商品の提案を受けられる(アップ/クロスセル提案)
特に 3 番目、4 番目に関しては、実店舗であればスタッフが接客の中で自然に提供できている情報です。実店舗と同等の情報を EC サイトで提供し、ストレスなく購入できるようにするためには、ビジュアルアセットの活用がポイントです。
ビジュアルアセットには以下のように、さまざまな種類があります。
- 商品画像・商品動画・ライブアーカイブ動画
- SNS 上にある公式投稿やユーザー投稿(UGC)
- スタッフのコーディネート
ここからは、ビジュアルアセットを有効活用している企業の事例をご紹介します。
活用事例:株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツ様
「4℃」 で有名な会社で、匿名宝飾店という匿名マーケティングが話題になりました。
※原宿にあらわれた“ブランド非公開”のジュエリーショップ『匿名宝飾店』 その正体は、ジュエリーブランド「4℃」
コロナ禍で店舗に来られないお客様に、EC サイトを通じてより情報を届けるために visumo social が導入されました。
ジュエリーはアパレルと違って見栄えが変わりづらい商材であるため、毎日 Instagram 投稿をして製品の魅力を伝えていました。この投稿を visumo 経由で EC サイトのトップページに掲載しています。
Instagram 投稿のサイトへの掲載は無料ツールでもできますが、画像をクリックすると Instagram のドメインに遷移してしまいます。EC サイトに興味があって購入を検討しているのに、離脱のキッカケを作ってしまいます。
visumo では Instagram の画像をクリックするとモーダルが立ち上がり、関連商品がでてくるのがポイントです。一度、EC サイトから離脱すると戻ってきてもらうのは大変なので、EC サイト内で回遊していただくのが重要です。
もう 1 つは商品を 360 度見られる動画を掲載しました。
ジュエリーは価格が高いので、買う時に慎重になります。そのため、EC で買っていただくには情報が重要になります。商品の魅力は、テキストよりも画像、画像よりも動画の方が伝わりやすくなります。
動画の効果により、「視聴した顧客」は「未視聴の顧客」と比べて CVR が 7 倍高くなりました。Instagram 投稿の活用もあり、EC 売上の 10% は visumo コンテンツ経由となったそうです。
また、副次的にお問合せが減る効果もありました。付け方が独特なジュエリーがあり、お問合せが多かったそうですが、ハウツー動画を商品ページに掲載したことで、お問合せを減らすことができました。
360 度の商品動画はプロに依頼しているかと思いきや、iPhone と 360 度回転するターンテーブルを使って、自社で撮影されています。動画はハードルが高いと思われがちですが、iPhone でキレイな画質の動画が撮れるので、自社でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
活用事例:株式会社ジェイ・ビー様
シューズアパレル「RANDA」では、スタッフスタイリングコンテンツを中心に活用しています。visumo snap を経由して、スタッフスタイリングの静止画やライブ配信のアーカイブ動画をサイトに掲載しています。
visumo 導入のきっかけは、商品の特集ページに動画を掲載したいという要望からでした。
当初、YouTube で動画を掲載しようとしましたが、YouTube のロゴやシークバーが出るなど、デザイン面の問題がありました。しかし、YouTube を使わずに、動画を直接サイトに埋め込むことも、サイトが重くなるためできません。
visumo であれば、動画は visumo から配信されるためサイトの負荷が少なく、デザインもスッキリした形にできます。特集ページのいたるところに自動再生の動画がありますが、ストレスなくスクロールして見ることができます。
従来の特集ページは写真とテキストによるシンプルなものでしたが、動画があることで注視されるようになり、滞在時間が増えたそうです。
LP や特集ページへ動画を埋め込む際に、デザインにこだわる会社では visumo の活用が進んでいます。
動画の埋め込みは YouTube なら無料ですが、visumo と比較すると以下の 5 つの違いがあります。
- 商品紐づけで実装がお手軽
動画を再生するだけでなく、購入の導線を作ることができます。紹介している商品だけでなく、関連アイテムも紐づけて紹介することが可能です。 - 自動再生のコーディングが不要
- 離脱の可能性を減らせる
- デザイン面が・・・ブランディング的に・・・
YouTube のロゴを消すことは規約で NG とされているので、消すことができません。 - 動画の効果を可視化できる
YouTube のアナリティクス機能では簡易な分析しかできません。visumo だと動画の再生された箇所やコンバージョンにつながったかの分析ができ、次回の動画作成に活かすことができます。
EC サイトの接客では、商品ページの情報をリッチにすることも重要です。
商品ページに使われているライブ配信のアーカイブは、該当商品が出てくる時間から再生することができます。ユーザーは商品の情報をすぐに確認したいので、商品が出てくる場所を探す 1 クリックがストレスになります。
また、visumo のコメント機能を使い、サムネイル画像にバイヤーやスタッフがスマホから一言コメントを書いています。製品説明欄には書きにくい売りのポイントなどを、ライトなコメントで書くことができます。
このように、商品ページの情報をリッチにすることで、購入前の不安を払拭し、CVR を向上することが可能です。
くわえて、関連するアイテムが出てくるため、ライブ配信のアーカイブやスタッフのスタイリングを見たひとは購入単価が高いことがわかっています。関連するアイテムをセットで見せるという、店先で行っているアップセル/クロスセルの提案を、オンラインでも行うことが重要です。
他にも、移動中など音が出せない環境でアーカイブを見たい人のために、動画の音声を自動でテキスト化し、字幕で表示することができます。自動翻訳の機能もあるので、越境 EC 用に英語の動画を撮り直す必要がなく、海外ユーザー向けに動画アセットを有効活用することが可能です。
活用事例:ETVOS
アパレル・ファッションの他に、活用事例が多いのがコスメです。「ETVOS」では 3 つの動画アセットを活用しています。
- Instagram Reel
ファッション系 EC で多く使われており、自社サイトで利活用したい場合に visumo が有効です。 - Instagram UGC
買って良かったと感じたお客様の投稿をハッシュタグで収集して掲載することができます。 - YouTube
YouTube で展開しているハウツー動画を visumo から配信することで、商品を紐づけることができます。
また、サムネイルの部分に自動再生した動画を入れることができます。ユニクロがいち早くやり始めた最近のトレンドで、カート側との調整が必要ですが、商品ページのサムネイルエリアに自動再生する動画を入れることも可能です。
まとめとして、動画の活用パターンを整理すると、以下のようになります。
- アーカイブ動画活用(Instagram Live、YouTube Live 配信動画)
- ショート動画活用(リール、TikTok、YouTube ショート)
- 商品詳細サムネイル動画自動再生
- LP・特集ページでの自動再生活用
新しいビジュアル活用の形
Instagram で一番使われる機能はご存知ですか?実はホーム画面ではなく「発見タブ」です。発見タブで見た投稿をキッカケに商品を購入したいと思ったことがある人は 7 割にのぼります。
オウンドサイトでも似たような見せ方ができないかと考え、「発見タブ」ライクにビジュアルコンテンツを見せる機能を新しく展開しています。スタッフ投稿、ライブ配信、UGC をごちゃまぜに見せて、思いもよらなかった商品を発見してもらい(セレンディピティ)、ついで買いを目指す機能です。
最後に
事業者からの一方的な発信は受け入れられなくなっています。接客コンテンツはファンと一緒につくる時代です。スタッフもファンと言っていいと思います。UGC やスタッフの投稿などを、手軽にサイト内に展開できるのが visumo のポイントです。
また、ビジュアルコンテンツから購入につなげるには、商品との紐づけが重要です。visumo の中に商品マスタを持っていますが、フィードフォースの dfplus.io を使うと自動で手間なく商品マスタが連携できます。ぜひ、visumo とセットで導入をご検討ください。
第 2 部:広告・集客以外にも広がる商品フィードの活用(フィードフォース)
第 2 部では株式会社フィードフォースの横関より、広告・集客以外でのデータフィードの活用について、ご紹介しました。
横関 哲(https://twitter.com/tetsu0116_) 株式会社フィードフォース dfplus.io チーム データフィード管理ツール「 dfplus.io 」のセールス・カスタマーサクセスを担当。お客様それぞれに最適なデータフィード施策や、中長期を見据えたデータフィード管理環境の導入を提案している。
データフィードとは、EC サイトの保有する商品データを広告媒体の企画に沿って変換したデータや、その仕組みのことです。
広告媒体によって呼び方が変わり、Google Merchant Center では「商品フィード」、Meta や Pinterest では「商品カタログ」と呼ばれています。
visumo の利用においても商品フィードの活用が重要です。商品フィードを連携することで、ビジュアルコンテンツから商品ページに遷移し、購入ができる導線をつくることが可能です。
データフィードの施策は広がってきています。
一番イメージが付きやすいのは検索エンジンである「Google ショッピング広告」かと思います。その次に、ダイナミックリターゲティング(ダイナミック広告)と呼ばれる「Criteo 」を始めとした CV に直結する媒体です。
「検索」と「CV」の間に位置する「比較・検討」を支えるのがサイト内接客、レコメンドエンジン、サイト内検索といったツールです。visumo 以外のツールもフラットに見ていただき、どれを導入するか検討してみてください。
visumo
3 つのサービスがあり、UGC やスタッフ投稿を自社サイトで簡単に活用できるプラットフォームです。
STAFF START・LINE STAFF START
実店舗のスタッフによるオンライン接客を評価できるサービスです。実店舗とオンラインで集客をして、スタッフの働きがいを評価するために導入されることがよくあります。
awoo AI
導入が増えているハッシュタグ自動生成ツールです。商品詳細ページにハッシュタグを埋め込み、ハッシュタグごとの LP を自動で生成します。
興味のあるハッシュタグを見ることで、サイト内の回遊率や CVR をあげる効果があると、注目されています。
コンテンツを活用して商品ページの情報量を増やして CVR を高めることも必要ですし、その商品が違った場合にハッシュタグなどで他の商品を案内し、離脱を防いで回遊率を高めることも重要です。
これらのサービスは Google ショッピング広告などの CVR が伸び悩んでいる場合には、ぜひ検討してみてください。
これらのサービスを利用するためには、1 つ 1 つデータフィードを作る必要があります。EC システムから Google Merchant Center に商品フィードを出力できていても、フィードを活用する媒体を増やす場合はツールによる一元管理がオススメです。
Q&A
Q.自動再生は商品のサムネイルに実装できますか?
千林:可能です。ジュンや BEAMS で実装されている事例があります。
Q.商品のサムネイル動画はどれくらいの効果がありますか?
千林:あるファッション系のお客様では、「動画あり」は「動画なし」に比べ CVR が 1.5 倍になった事例があります。
Q.アパレルで UGC を活用した事例はありますか?
千林:「DaytonaPark」では、トップページの下の方にスタッフ投稿だけでなくユーザースタイリングがあります。ユーザーの許可をとった写真を Instagram の公式アカウントで再投稿して掲載しています。
「ワークマン」では、トップページに Instagram の公式、アンバサダー、一般ユーザーの投稿が掲載されています。一般ユーザーの場合は許可をとり、ユーザーのアカウントの投稿を掲載しています。
UGC の活用を遠慮している企業も多いですが、積極的に活用するケースも増えてきています。
まとめ
EC サイトの接客力を上げ、売上アップにつなげるビジュアルコンテンツの活用方法をご紹介しました。実際に CVR が大幅に向上した事例もあり、積極的に活用してみたいですね。visumo の導入にご興味がある方は、下記よりお問合せください。
また、visumo を導入されるなら、簡単に商品フィードを連携できる dfplus.io の利用がオススメです。ぜひ併せてご検討ください!
3 週間のトライアル申込やご質問は以下のフォームからお気軽にご連絡ください。