Google ショッピング広告は、dfplus.io を利用する EC 事業者の 80% 以上が出稿中の人気媒体です。しかし、思ったよりも成果があがらず困っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では 2024 年 3 月のセミナーで解説した、Google Merchant Center における 11 のデータフィード改善ポイントを具体例を交えてご紹介します。
※本セミナーは 2023 年 10 月に Google 社が開催した「代理店様限定 事前特別セミナー – フィード活用したショッピング広告の成功を共創する –」にてご紹介した内容です。
※Google ショッピング広告の基本を知りたい方は「『Googleショッピング広告入門セミナー』レポート」をご覧ください。
Google ショッピング広告とは?
Google ショッピング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して画像付きの広告が表示される「検索連動型広告」のひとつです。Google 検索やショッピングタブの上部に商品の画像、名前、価格、ショップ名などが表示され、クリックすると販売ショップのページに遷移します。
リスティング広告が入稿するキーワードを自分で選ぶのに対し、Google ショッピング広告はデータフィード(商品データ)に基づいて自動でキーワードが選定されます。そのため、Google ショッピング広告はキーワードのカバレッジが広いのが特徴です。
Google ショッピング広告のクリエイティブのほとんどの要素は、Google Merchant Center に連携されたデータフィードによって構成されます。
Google ショッピング広告は次のような仕組みで配信されます。
- Google の検索窓に入力された語句を Google 広告に送信
- Google 広告が送信された検索語句を解析
- Google Merchant Center に商品情報の問合せ
- Google Merchant Center から Google 広告に商品情報を送信
- Google 広告にてオークションを実施
- 商品情報をもとに Google 検索に広告を表示
商品情報が広告のクリエイティブだけでなく、検索語句とのマッチングにも利用されるため、データフィードは重要です。
データフィードを改善したことで、Google ショッピング広告の成果が大きく改善した例があります。
- 商品タイトルを改善し、Google 商品カテゴリを詳細に設定したことで、CV が 2 倍、CPA が半減!
- エラーを解消して掲載される商品を増やした結果、imp が向上し ROAS が 200% から 510 % に大幅改善!
Google ショッピング広告の「伸びしろ」はどこにあるのか?
Google ショッピング広告もリスティング広告と同様に、広告ランクによって掲載順位が決まります。
広告ランクは「品質スコア」「上限クリック単価」「拡張機能フォーマットの予測効果」の掛け合わせで計算されます。
品質スコアは「想定 CTR」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」で決まるため、これらを左右するデータフィードの改善は重要です。
品質スコアの向上によって、低い入札単価でも広告の掲載順位を高めることができます。
ここからは Google データフィードの最適化における前提事項と、優先度別のポイントについて解説します。
- 前提事項
- ストアとデータフィードの情報を一致させる
- エラーや警告を最小限にする
- データフィードに可能な限り項目を追加する
- 優先度★★★
- ID:SKU 単位での登録
- title/description:検索クエリにマッチするキーワードの追加
- price / sale_price :セール表示
- google_product_category:正しい階層への振り分け
- addtional_image_link:最大 10 枚を可能な限り追加
- 優先度★★
- gtin / MPN / identifier_exists:商品固有の ID を正しく設定する
- custom_label:商品グループの作成に活用
- product_type:商品の階層を任意で最大 3 階層を追加
- 優先度★
- image_link:わかりやすい商品画像を追加(白背景の画像を推奨、着用画像でも可)
- product_highlight:プロダクトの特徴をわかりやすく追加
- age_group / color / gender / material / size:正しい値の追加
前提事項:データフィード最適化の前に取り組みたい事
さまざまな最適化を行う前に、データフィードの品質の土台となる以下の 3 点に取り組みましょう。
- ストアとデータフィードの情報を一致させる(在庫情報や価格など)
- エラーや警告を最小限にする
- データフィードに可能な限り項目を追加する
ストアとデータフィードの情報を一致させる
データフィードの更新頻度が低いと次のようなことが起こり、品質スコアの低下につながります。
- 売り切れの商品が広告掲載されてしまう
クリックしたユーザーが離脱し、CVR が低下 - セール情報の反映が遅れる
セール中であることが伝わっていれば、CTR が上がった可能性も・・・
データフィードを手動で管理・アップロードをしていると更新頻度が下がりがちです。自動で更新する仕組みを整えて、情報の鮮度を維持しましょう。
エラーや警告を最小限にする
データフィードは一度つくれば終わりではなく、日々のメンテナンスが重要です。広告効果が下がったので Google Merchant Center を見たらエラーや不承認が大量にあり、広告に掲載される商品が減っていたなんてことも・・・
こまめに Google Merchant Center を確認し、不承認やエラーを解消しましょう。なるべく全商品を掲載して機会損失を防ぐことが、 imp・売上の増加につながります。
データフィードに可能な限り項目を追加する
データフィードの項目には「必須」と「省略可」があります。「省略可」の項目も Google が機械学習をする要素のため、追加することで広告効果が改善します。
省略可の項目例
- Google 商品カテゴリ [google_product_category]
- 商品カテゴリ [product_type]
- 追加の商品画像リンク [additional_image_link]
- セール価格 [sale_price]
- モバイルリンク [mobile_link]
各項目の詳しい定義は「商品データ仕様|Google Merchant Center ヘルプ」をご確認ください。
最適化ポイント:優先度★★★
前提事項が対応できたら、優先して取り組みたいのが以下の 5 つポイントです。
- ID:SKU 単位での登録
- title/description:検索クエリにマッチするキーワードの追加
- price / sale_price :セール表示
- google_product_category:正しい階層への振り分け
- addtional_image_link:最大 10 枚を可能な限り追加
ID:SKU 単位での登録
ID は SKU 単位で登録することで、無駄なクリックを減らし CVR が改善します。たとえば靴であれば、色・サイズごとに ID を登録しましょう。
複数の色・サイズを 1 つの ID で登録すると「25cm の靴が欲しかったのに、商品ページに行くと在庫がなかった」ということが発生します。これは顧客体験を損ない、無駄なクリックによるコスト増加、CVR 低下による品質スコアの低下につながります。
SKU 単位で ID を登録できるデータフィードを実現しましょう。
title/description:検索クエリにマッチするキーワードの追加
商品名[title]、商品説明[description] を充実させることで、imp の増加と CTR の向上が期待できます。それぞれ以下のポイントを押さえておきましょう。
- 商品名[title]
- ブランド名・製品名のほか、色・サイズなど商品の特徴を表す情報を追加
- 検索語句と一致しやすい語句の登録(Google Search Console が参考になる)
- 商品名の先頭に重要な語句を配置
- 商品説明[description]
- 具体的で正確な商品情報の特徴を登録
- 重要な詳細情報は最初の 160~500 文字(全角:80~250 文字)に記載
商品名[title]、商品説明[description]の充実はデータフィード(広告側)だけで実施するようにしましょう。サイト側も上記の対応をすると、サイトが見づらくなるので注意が必要です。
以下にいくつか改善の例をご紹介します。
改善例①:アパレル
商品名が「T シャツ」だと範囲が広すぎるため、ブランド名、性別、【公式】などのキーワードを追加します。英語表記はカタカナにすることで視認性が高まります。
改善例②:食品
「愛媛県産 夏みかん」だと魅力が伝わらないので、「産直」や「農薬不使用」など強みとなる情報を入れましょう。内容量や料理名など、ユーザーの関心を引く情報を追加することも有効です。
price / sale_price :セール表示
セール表示とは「セール」のラベルが表示され、割引後の価格が強調して表示される機能です。セール表示は検索結果で商品を目立たせる効果があり、CTR の向上が期待できます。
セール表示には以下の条件があります。あらかじめ確認しておきましょう。
- LP に通常価格とセール価格の両方が明確に表示されていること
- 通常価格が有効であること
- セール価格は通常価格より低い値であること
- 割引率が 5%~90% であること
※参考:セール価格情報について|Google Merchant Center ヘルプ
google_product_category:正しい階層への振り分け
Google 商品カテゴリ(google_product_category)は、Google の定義にもとづいて商品を分類する値を入力する項目です。詳細に設定することで機械学習の精度があがるため、3 階層以上の値を入れるようにしましょう。
設定例
ファッション・アクセサリー > 衣料品
↓
ファッション・アクセサリー > 衣料品 > コート・ジャケット
※参考:Google 商品カテゴリ [google_product_category]|Google Merchant Center ヘルプ
addtional_image_link:最大 10 枚を可能な限り追加
商品画像を推奨のサイズ・画質にあわせて良質なものにするとクリック率が向上します。また、追加の商品画像(additional_image_link)を登録し、別角度の商品画像や使用シーンの画像を追加することもクリック率をあげる効果があります。追加の商品画像は最大で 10 枚まで登録できるので、可能な限り追加しておきましょう。
最適化ポイント:優先度★★
次に取り組みたいのが以下の 3 つのポイントです。custom_label、product_type は広告キャンペーンの設計にも関わる大事な項目です。
- gtin / MPN / identifier_exists:商品固有の ID を正しく設定する
- custom_label:商品グループの作成に活用
- product_type:商品の階層を任意で最大 3 階層を追加
gtin / MPN / identifier_exists:商品固有の ID を正しく設定する
商品に GTIN(JAN コード) が存在する場合、GTIN を登録しないとパフォーマンスが低下することがあります。Google Merchant Center で警告になっていることが多いので、設定を確認しましょう。
GTIN が存在しない商品の場合はブランド [brand] や MPN [mpn] を設定する必要があります。
※参考:固有商品 ID について|Google Merchant Center ヘルプ
custom_label:商品グループの作成に活用
Google ショッピング広告は広告グループの下に「商品グループ」を作成し、商品グループごとに入札単価の調節ができます。
扱う商品のカテゴリが多岐に渡る場合や価格帯の幅が広い場合は、商品グループを作成することで運用を最適化できます。
商品グループの作成に利用できるデータフィードの項目は限られています。
- Google 商品カテゴリ(google_product_category)
- ブランド(brand)
- 商品 ID(id)
- 状態(condition)
- カスタムラベル0~4(custom_label 0~4)
- 商品カテゴリ(product_type)
さらにユーザーが任意の値を入れられるのは「カスタムラベル0~4」と「商品カテゴリ」だけです。
「カスタムラベル0~4」に価格帯や利益率を入れておくと、商品グループごとに目標の CPA や ROAS を設定でき、強弱をつけて運用することができます。
product_type:商品の階層を任意で最大 3 階層を追加
「商品カテゴリ」は設定することで Google 商品カテゴリよりも細かく商品を分類できます。靴であれば「ランニング」「スニーカー」「サンダル」と、自社で扱う商材に合わせて設定することが可能です。
最適化ポイント:優先度★
下記の項目についても、Google が推奨する仕様に合わせてデータを入れることで、広告効果の向上が見込めます。
- image_link:わかりやすい商品画像を追加(白背景の画像を推奨、着用画像でも可)
- product_highlight:プロダクトの特徴をわかりやすく追加
- age_group / color / gender / material / size:正しい値の追加
※参考:商品データ仕様|Google Merchant Center ヘルプ
最後に
いかがでしたでしょうか?データフィードの項目 1 つ 1 つを最適化することで、Google ショッピング広告の成果向上につながります。最適化にはデータフィードを柔軟に操作できる環境が大切です。
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