【2023/9/26 開催】「~顧客体験を最大化する新たなマーケティング戦略~ポスト Cookie 時代に求められるデータフィード活用術とは?」セミナーレポート

セミナーレポート
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dfplus.io では月に 1 回程度、媒体について実践的なセミナーを行っており、無料でご参加いただけます。

2023 年 9 月 26 日に開催した「~顧客体験を最大化する新たなマーケティング戦略~ポスト Cookie 時代に求められるデータフィード活用術セミナー」では、インティメート・マージャーの簗島氏にご登壇いただき、3rd Party Cookie 規制による課題や解決策、規制後のデジタルマーケティングについてお話ししました。その内容をご紹介します。

登壇者紹介
・簗島 亮次(やなしま りょうじ)
株式会社インティメート・マージャー 代表取締役社長。慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科を首席で卒業。2013 年に株式会社インティメート・マージャーを創業し、2019 年 10 月東証マザーズへ上場。データサイエンティストというアカデミックな視点と経営者としてのビジネスの視点から、日本最大級を誇る約 4.7 億のオーディエンスデータを用いてさまざまな業界の課題解決を支援している。

・高橋 貴史(たかはし たかひと)
データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。 フィードフォース入社前は、化粧品通販のマーケ責任者や、サイト改善のコンサルタントなどを経験。 データフィードだけでなく、お客様それぞれに最適な施策や、中長期を見据えた提案を行う。

Cookie 規制への対応とポスト Cookie

最初に、インティメート・マージャーの簗島氏から、3rd Party Cookie 規制とその影響、ポスト Cookie 時代のソリューションの概要を解説していただきました。

2 つの面から進む Cookie 規制

近年 3rd Party Cookie 規制が進んでいますが、これは「法律による制限」と「事業者側の制限」という 2 つの側面があります。

「法律による制限」は、改正個人情報保護法や改正電気通信事業法、海外だと GDPR(EU 一般データ保護規則)や CDPA(ヴァージニア州消費者データ保護法)がこれにあたります。

「事業者側の制限」とは、Safari(iOS)や Chrome(Google)(※)における 3rd Party Cookie 規制など、デバイスやブラウザを提供する事業者による規制のことです。

※Chrome では 2024 年末までに 3rd Party Cookie を廃止予定
参照:Google、ChromeでのサードパーティーCookie廃止開始を2024年まで延期

転載禁止 ©Intimate Merger Inc.


本日は「事業者側の制限」に関してお話しします。事業者による制限が進むことによって、Cookie に依存しないデジタルマーケティング、ポスト Cookie 基盤への移行が必要不可欠になっています。

「3rd Party Cookie が完全に廃止されるまで動向を見守っていればいいのかな」と思うかもしれませんが、これは間違いだと考えています。影響を可視化できていないだけで、既に影響が出ている企業は多くあります。

量と質でみる Cookie 規制の影響

Chrome で 3rd Party Cookie が完全に廃止されるのは 2024 年末ですが、Windows Edge や Safari では既に廃止されています。これにより、3rd Party Cookie でリーチできるブラウザは 4 割程度になっています。

サイト訪問者の 6 割については 3rd Party Cookie Data がとれていないため、通常のリターゲティング(以下、リタゲ)やオーディエンスターゲティングではリーチできないユーザーが増えているのです。これにより、「リタゲのボリュームが出なくなった」「CPA が悪くなってきている」などの影響が出ているようです。

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また、リーチできるユーザーの量だけでなく、質(属性)にも影響が出ています。Windows Edge や iOS での規制により、それらのユーザー属性にアプローチすることが難しくなった今、Cookie を使えるブラウザだけではターゲットが偏る可能性があります。

例えば、iOS 端末は若年層や可処分所得の高いユーザーが多い傾向があります。EC サイトの中には iOS ユーザーの方が LTV が高いという企業もあり、これまでと同じアプローチでは LTV の高いユーザーにリーチしにくくなるかもしれません。

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3rd Party Cookie が取得できない層へのアプローチは、既存施策が有効な領域は継続しつつ、既存施策でカバーできない領域は代替ソリューションでカバーすることで、機会損失を限りなく減らすことが可能になると考えています。

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弊社では、3rd Party Cookie Data が取得できないブラウザに対しても配信可能なメニューなど、ポスト Cookie 時代の代替ソリューションを複数ご用意しております。サイト訪問者の使用ブラウザの内訳を診断し、より効果的なご提案をすることも可能です。ぜひ一度ご相談ください。

お問い合わせ | 株式会社インティメート・マージャー
インティメート・マージャーは、日本最大級のデータマネジメントプラットフォーム「IM-DMP」を提供し、クライアントのデータ活用に関する課題を素早く効率的に解決しています。

ダイナミック広告の今

次に、フィードフォースの高橋から、ダイナミック広告の今についてお話ししました。

ダイナミック広告が転換期を迎えている

Cookie 規制により、ダイナミック広告は転換期を迎えているといえます。その理由は「アルゴリズムの変化」と「選択肢の広がり」です。ひとつずつ見ていきましょう。

  1. アルゴリズムの変化
    ダイナミック広告のアルゴリズムは Cookie を使用したものが多くあります。Cookie 規制によりアルゴリズムが変わると、これまでのやり方で同じ成果をあげることは難しいと考えられます。

  2. フィード活用媒体の多様化
    以前は、Google・Facebook・Criteo の主要 3 媒体を配信していれば、フィード施策の領域はほとんどカバーできていました。
    しかし今は、サイト内でユーザーごとに適したオススメを表示するレコメンドエンジンや、ショップスタッフのレビューを表示する媒体など、フィードを活用する媒体は多様化しています。
    「主要 3 媒体をやっているから安心」ではなく、自社に最適な媒体を選択する必要が出てきたといえます。

【トークセッション】Cookie 規制の実態・課題からポスト Cookie 時代のデジタルマーケティングまで

3rd Party Cookie 規制に関する 3 つのテーマについて、簗島氏と高橋のトークセッション形式で解説しました。

  • リアルタイムで見る!3rd Party Cookie 規制の実態とその影響
  • つまづきポイント徹底解剖!Cookie 規制に伴う課題とその解決策
  • 新しい時代の幕開け!Cookie 規制後のデジタルマーケティングの未来像

リアルタイムで見る!3rd Party Cookie 規制の実態とその影響

ポイント

  • 規制の影響は少しずつ起きているため、気づいていないケースも。
  • 規制後の施策を検討するためには、まずは現状把握が大切。中長期的のデータを活用し、実態と影響を正しく測ろう
  • 主要媒体だけではボリュームが出なくなる可能性も。今こそ他媒体や新しい配信メニューにトライしよう

―――3rd Party Cookie 規制の実態と影響について、どうお考えですか?

簗島 Chrome での規制を待たずとも、Windows Edge や iOS における規制の影響は出始めています。「今までとれていた情報がとれなくなった」という変化は、数ヶ月単位で出ているのではないでしょうか。1 年前と比べて CV データがとれなくなってきたという企業もあります。影響を感じていなくても、リーチできているユーザーやプラウザを見てみると、違いがあることに気付くと思います。まずは、現状を把握するところから始めてみてほしいです。

―――見えないデータが増えてきて、かつパフォーマンスが下がってきたらどうしたらいいのか迷ってしまいますね。

簗島 はい。そこに関して策がない企業は多い印象です。高橋さんから「以前は主要 3 媒体をやっていればよかった」というお話があったように、今までは、媒体を 1~2 個に絞って効果が高いものに予算を寄せましょう、という方針で通用していました。

しかし、それではボリュームが出ず、効果もあがらないケースが増えてきました。新たな媒体にチャレンジしたり、商材と相性が良さそうな媒体を探したりするなど、いろいろとトライするべき時期なのではと感じています。

―――なるほど。見えなくなってきているからこそ、見えているところだけに注力してしまう危険があるのですね。ダイナミック広告に関する相談はどのようなものが多いですか?

高橋 「新しい媒体に掲載したい」や「主要 3 媒体をまずやってみたい」など、媒体追加に関するご相談をよくいただきます。

―――それは、効果が出にくくなっているから他の媒体に挑戦したいという感じなのでしょうか?

高橋 競合他社で上手くいっていると聞いたからなど、きっかけはさまざまですが、それもあります。ITP によって iOS ユーザーの分析ができなくなった当時は、「売上は減っていないけどデータ上の CV がかなり減った」というお問い合わせが多かったですね。

簗島 見えないことが常態化しているうえに、変化が少しずつ起こっているという段階で、ダイナミックな変化は起きていません。だから気づきにくくなっているのかもしれません。

―――数字がわからなくなって、そのうちパフォーマンスが下がって…という具合でどんどん手こぼれが起こっている状況なのでしょうか。

高橋 そうですね。CV は一気に落ちず、徐々に落ちていくので、気づいていなかったけど年単位で比べてみたら実は大きく減っていた、ということもあるようです。

簗島 月次のレポートだと全然変化が見えなかったりします。運用型広告は上手くいく月もあれば上手くいかない月もあるので、月単位で数字を追いかけていると外部要因の変化が見えづらいです。1 年や半年のスパンでみたら「明らかに減っている」「CV がとれなくなっている」「明らかに予算が使えなくなってきている」ということがあるので、長いスパンで見てもらうと影響がわかりやすいかもしれません。

高橋 「季節変動だよね」で終わりにしてしまうケースがあるので、前年同月と比較するのは重要だと思っています。

―――実態と影響を正しく探るには、中長期的でのデータ活用や比較が有効だということですね。

つまずきポイント徹底解剖!Cookie 規制に伴う課題とその解決策

ポイント

  • 効果改善のカギは「試行錯誤」と「ユーザーの質」!
  • 媒体の最新情報をキャッチアップし、規制による変化をチャンスに
  • 新媒体の導入で「リーチできるユーザーの拡大」と「競合他社との差別化」を実現しよう

簗島 よくあるつまずきポイントの 1 つに、Cookie がとれているブラウザでのパフォーマンスをもとに、ポスト Cookie での媒体評価を行ってしまうことが挙げられます。ポストCookie の取り組みをしようと思っているが後回しになっているケースで直面することが多い印象です。

ポスト Cookie 対応のメニューも増えてきていますが、まだまだ Cookie をベースにした最適化が基本です。Cookie を使わない最適化については、プラットフォーム側も手探りの段階ですので、Cookie を使う配信に比べると CPA が悪くなってしまうことはあり得ます。

この点については、2 つの視点で検討してほしいと考えています。 ひとつは「試行錯誤することで効果を改善できる」ということ、もうひとつは「ユーザーの質の違いに注目する」ということです。

1 つ目については、「他媒体を追加したり予算を増やしたりしても、同じユーザーに対するフリークエンシーが上がり、非効率になるのでは」と懸念する方がいらっしゃるかもしれませんが、そうならないための工夫の余地は十分にあるということをお伝えしたいです。

ポスト Cookie に対応した配信メニューは、現行の Cookie を使ったものに比べると、リーチが補完されています。そのため、複数の媒体やメニューを試してみることで、これまでの媒体ではリーチできなかったユーザーへのターゲティングが可能になり、効果が出てくる可能性があります。

2 つ目は、「自社のマーケティングのターゲットは、Cookie を使ってリーチできているユーザー群でカバーできているのか」を考えてほしいということです。例えば、EC サイトでは iOS 経由のユーザーの方が LTV が高いという特徴があります。しかし、LTV が高いユーザーを獲得したいという戦略がある場合、Cookie 規制への対応を行っていないと、リーチすべきユーザーを取りこぼしている可能性があります。

このように、媒体やメニューを試行錯誤したり、ユーザーの質に目を向けて現行のデジタルマーケティング手段を再検討したりすることで、将来に向けて知見を貯めることが可能になります。弊社でも、そのあたりをお話しながら一緒にプランを立てていくことが増えていると感じています。

―――ターゲット分析、媒体の選定などを、1 年前の指標と比べて見直していかないと、後手に回ってしまうということでしょうか。

簗島 そうですね。それらは将来的には取り組まなければいけないことなので、新しいテクノロジーの中で自社のマーケティング戦略をどう実現していくのかを模索するフェーズが必要だと思っています。

―――多くの人がつまずいているようですが、高橋さんはこの点について解決策はありますか?

高橋 まず前提として、主要 3 媒体をやっている企業で、その媒体が使えなくなるということはおそらくないと考えています。各媒体が、ポスト Cookie 時代に向けて自社で代わりのデータを用意したり、他社と組んだりして何かしらの対策を進めているからです。

しかし、アルゴリズムの変更などにより、何かしらの変化は発生します。例えば、Criteo はリタゲのイメージが強いですが、実は新規獲得目的のメニューを多数リリースしており、今や新規獲得にも有効な媒体になりつつあります。

各媒体でこういった変化が起こるので、選択肢を増やせるよう最新情報をキャッチアップすることをオススメします。

「知る」をクリアできたら、次は少額でもいいのでやってみることが大切です。

例えば、最近 EC で利用率が上がっており、弊社でも問い合わせが多い Pinterest は、商品データを連携するとプロダクトピン(※)を作成することができます。するとユーザーの検索結果に表示されるようになるため、オーガニックでの流入を獲得することができます。

1 度プロダクトピンをつくってから放置していたにもかかわらず、月数件の CV を Pinterest 経由で獲得できていた事例や、Pinterest 経由で月数 10 万の売上を立てているアパレル企業もあります。

新しい媒体は、今までアプローチできなかったユーザーにリーチするチャンスになります。また、先駆者メリットとして、競合他社が参入する前だからこそ高い効果が期待できます。ですので、各媒体の変化をチャンスと捉えてまずは試してみる、というのがひとつの解決策だと思います。

※ピンは、Pinterest でお気に入りのアイデアを保存するブックマークです。プロダクトピンは通常のピンと異なり、商品名、価格、在庫状況、商品詳細などの情報を表示させることができ、画像やボタンをクリックしたときの遷移先が商品ページになっています。
プロダクトピンの詳細は「Pinterest「プロダクトピン」とは?無料でECへの流入~購入をスムーズにできる機能について解説」をご覧ください。

―――Pinterest は参加者の皆さんからの反応が良かったですね!ポスト Cookie の潮流でもマーケティングの選択肢はどんどん増えていくからキャッチアップが大事だということがわかりました。

簗島 ピンの話しかり、フィード広告については、プラットフォーム側も無料枠を用意しているのでどんどんトライしてほしいです。ポスト Cookie からは少し逸れますが、せっかくデータフィードがあるのなら、いろいろな媒体・メニューに挑戦しないのはもったいないと思います。

高橋 代理店では、これまで特定の媒体しか提案できなかったが、広告主側から「それ以外の媒体も提案してくれないか」と相談されることが増えたと聞いています。代理店も広告主も、新媒体にキャッチアップする重要性が高まっているのではないでしょうか。

新しい時代の幕開け!Cookie 規制後のデジタルマーケティングの未来像

ポイント

  • データフィードの活用先は拡大中。商品データを整えて未来に備えよう
  • ターゲティング精度は下がるも、広告の内容を試行錯誤することで効果が改善した事例も
  • 試行錯誤の工数圧縮には AI などの新しいテクノロジーが鍵に

―――規制が進むなかで媒体やメニューの変化がどんどん起きてくるかと思いますが、どのようなソリューションやテクノロジーが成果をあげたり、主流になっていくのでしょうか?

高橋 先ほどの Pinterest の話しかり、商品データ活用の幅が広告の新媒体はもちろん、広告以外にも広がってきています。それに備えて、まずはデータフィードを整えることを検討してほしいです。

例えば Google ショッピング広告では、「商品タイトルに検索されやすいキーワードを入れる」という処理は成果を左右するので重要ですが、タイトルに「ワンピース」しか入っていないなど、もったいないケースがまだまだ多く見られます。

フィード領域に関しては、データフィードの重要性が上がる未来に備えて、自社の商品データをしっかり整えることが重要です。足元を固めるイメージで、まず取り組んでほしいです。

―――データ整理という観点では、話題の ChatGPT など AI も活用できそうですが、簗島さんはどうお考えですか。

簗島 AI でデータフィード改善を自動化する未来は大いにあり得ると思います。

データフィードを媒体ごとに最適化するのは大変ですし、SKU が多ければなおさら負担が大きいです。そこで例えば、「ベースのフィードをつくっておくと、媒体ごとに最適化したフィードを自動生成してくれる」といった活用は今後あり得るのではないでしょうか。

また、弊社では「フィード広告のテキストを最適化したいけど、どうしたらいいかわからない」という相談をいただくことが多いです。ほとんどの方は、先ほど高橋さんのお話に有った「商品タイトルに検索キーワードを入れる」といったテクニックを知りません。そこで、上位表示されている商品を ChatGPT に投げて、その共通項を見つけて、自社の広告に反映させるといった活用も考えられますね。

高橋 「商品データが複数から成っていて、結合しないとフィードがつくれない」「1 つの商品データでつくれるが、最適化するには他の商品データと組み合わせる必要がある」というケースもあり、この場合は一層、管理や最適化が大変ですのでそのような活用は需要がありそうです。

簗島 プラットフォームごとに最適化できている企業はどれくらいあるのでしょうか?

高橋 弊社の調査では、平均管理フィードは 4.5 という結果でしたが、すべてを最適化できている企業は少数だと思います。統計はとっていませんが、体感では 2~3 割といったところです。

簗島 平均 4.5 媒体に同じフィードを活用してしまっている企業の方が多いということですね。

高橋 はい。Google スプレッドシートで管理している場合はなおさら、最適化ができている例はごく少数だと思います。他に最適化が難しいケースとして、「フィードを管理している人と、商品を管理している人が違う」というのも挙げられます。フィード管理者が知らないうちに新商品が増えているという体制では最適化はおろか、管理も大変です。

簗島 人的にも業務プロセス的にも、媒体ごとに最適化するハードルというのがあるんですね。

「大変だから後回しになっている」というケースには、先ほどお話した「上位表示される傾向を AI で分析して自社広告に反映させる」アプローチが有効ではないかと感じました。統合的かつデータドリブンに、各フィードを最適化できる未来は近いかもしれません。

―――実際に AI を活用したデジタルマーケティングで成果を出している事例はありますか?

簗島 前提として、今後テクノロジーが進化していっても、ターゲティング精度が下がることは避けられないと思います。ですので、広告効果を維持・改善するには、ユーザーやプラットフォームにより適した文言を生成して、ユーザーへメッセージを訴求することは必要不可欠です。

実際に、最適なメッセージをいろいろ試した結果、ターゲティング精度は下がったけど効果は変わらない・または向上したという企業が少しずつ出てきました。

ターゲティングの精度は低下するけれど、それに対応するための試行錯誤にかかる工数は、AI などを活用することで大きく圧縮できるということです。新しいテクノロジーとの掛け合わせで、より簡単に効果改善を実現することが、これからのデジタルマーケティングのカギになってくると思います。

―――最後に、今後デジタルマーケティングを進めるなかで、「こんなことに注意するといいよ」というアドバイスをいただけますか?

簗島 今までやってきた手法だけだと「リーチが取れない」「CPA が悪くなった」という企業はすごく増えています。新しい媒体や施策にトライするべきタイミングに来ているのではないかと思います。

少し大変かもしれませんが、先ほどお話しした通り「Chat GPT で最適なテキストを分析・生成する」などの工数を下げる仕組みが進化しています。ですので、負担が大きそうという抵抗をぐっと乗り越えて、最適化や新媒体にチャレンジしていただきたいです。

逆に言うと、多くの企業がまだまだ特定の媒体に頼っているタイミングなので、新媒体を始めることはいい結果を出すチャンスでもあります。この Cookie 規制を機に、そのあたりに取り組んでいただくと良いと思います。

高橋 「ちょっと気になったらまずは相談する」というのが大切だと思います。相談先は、例えばフィードに関することなら弊社でもいいですし、広告代理店なども良いと思います。

多くの方は、新しい媒体に対して苦手意識を持たれると思います。また「媒体が増えれば管理工数が増える」「自分のリソースが圧迫される」という懸念をお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、意外と簡単に実装できる媒体もありますし、新しいソリューションを知らないまま既存施策を継続することは、リスクだと思います。チャンスを逃さないために、まずは気軽に相談してほしいですね。

Q&A

ご参加された方からの質問にお答えしました。

前年比で見ると、配信ボリュームが減って CPM が高騰するわりに CV がつかず、いたずらに CPA が悪化しています。Cookie 規制の影響は実際どの程度あるのでしょうか?

簗島 Cookie 規制が進んでいる影響で、3rd Party Cookie Data が取得できるブラウザは 2020 年頃の 6 割から約 4 割と少なくなってきたので、リーチできるユーザーは 33% ほど減っています

一方で、大手含め EC サイトに注力したり、EC 化率向上を目指したりする企業も増えており、リーチできるユーザーに投下される予算は増えていると考えられます。

そのため、リーチが狭まっているのに、その少ないリーチできるユーザーに対してより多くの予算を割いている状態になっているかもしれません。その場合、実際には 33% 以上悪化している企業もいらっしゃるのではないでしょうか。

・データフィード活用について、ダイナミック広告以外でおもしろい媒体や成功事例はありますか?

高橋 ひとつはレコメンドエンジンです。例えば Amazon で商品詳細ページを見ていると「この商品を見ている人はこんな商品も見ています」というオススメが表示されますが、あれはレコメンドエンジンによるものです。ユーザーごとに最適化された類似商品・サービスのレコメンドを自動で行うツールにも、データフィードが使われています。

awoo AI(※)などのタグやカテゴリを自動生成するツールも、データフィードの活用先のひとつです。タグやカテゴリの実装は、CVR の改善に効果があると言われています。

先ほどの質問の「CPM が高止まりしている」という状態は、広告側に原因があるケースも考えられますが、「アクセスは増えているのに CV は減っている」という場合は、サイト改善が CV 増加に繋がる可能性があります。そういう場合は、レコメンドやタグの自動生成ツールなどに自社の商品データを使うという選択肢も検討できると良いと思います。

※awoo AI について詳しくはこちら

まとめ

「最新情報をキャッチアップして施策の選択肢を増やす」「他媒体や新たなソリューションにトライしてみる」「ターゲティング精度は下がっても、データフィードの内容を試行錯誤することで効果を維持・向上できる」といったことが、ポスト Cookie 時代のデジタルマーケティングでは重要になりそうです。

複数媒体の管理・最適化が簡単にできるデータフィード管理ツール「dfplus.io」は 3 週間の無料トライアルのご用意もございますので、是非ご検討ください。サービス資料のご請求、ご質問などは以下のフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。

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