ECサイトでは新規顧客獲得はもちろん、サイト内のユーザー体験を改善しCVRを高めることが重要ですが、商品データを活用してその両面を効率的にカバーできる施策があることをご存知でしょうか?
本記事では、それを実現する今注目の「awoo AI」(読み方:アウーエーアイ)というサービスを紹介します。
awoo AI とは
AIが商品の特徴を理解して、その商品に関連するハッシュタグを自動付与したり、そのタグをもとに商品検索結果ページを自動作成したりします。SEOによる新規流入対策から、検索性や回遊性等のサイト内のCX改善までをかんたんに解決できるサービスです。
しかも、ユーザーではなく「商品理解」(Product Data Platformという概念)というユニークなアプローチを採用し、Cookieも一切使わないため、今大きな注目を集めています。
awoo AIを提供するawoo Japan株式会社は、台湾のawoo Intelligence Incが母体となっています。awooは2015年にSEOツールで事業をスタートし、現在はAI領域を強みにする企業で、日本へは2020年8月から本格進出を果たしています。
awoo AI の事例・実績
最初に、awoo AIの導入による効果をご紹介します。
awoo AI により自動付与されたハッシュタグのクリックユーザー vs 非クリックユーザーでは、前者のほうが主要KPIが改善されています。各グラフの赤棒がハッシュタグをクリックしたユーザー、白棒が非クリックユーザーになります。
▼ハッシュタグのクリックユーザー vs 非クリックユーザーでの実績
- 直帰率:-80%
- 滞在時間:5.54倍
- ページ/セッション:4.47倍
- CVR:2.83倍
- LTV:160%改善
- 平均購入単価:+6%
- CVRのアップリフト:+9%

また、利用事例には以下のような企業があり、多くの商材を扱うECがフィットします。
- コメ兵(リユース品):https://komehyo.jp/
1点ものが特徴のリユース業界でも導入可能
- PEACH JOHN(女性向け下着):https://www.peachjohn.co.jp/
「花柄 レース」など、消費者の細かいニーズをカバー
- ACE(スーツケース):https://store.ace.jp/shop/r/rsuitcase/
サイズ感や利用用途別にわかりやすくレコメンドできる
ここからはより詳細な機能をご紹介していきます。
awoo AI の機能
①ハッシュタグによって回遊率やCVRを高める
AIにより自動付与されたハッシュタグは、主に商品詳細ページやカテゴリーページ上で表示されます。ユーザーは新しい気づきをハッシュタグによって得られるため、自然に回遊率が上がり、CVR向上へ寄与します。
▼商品ページでのハッシュタグの表示イメージ

②CXに留まらず同時にSEOも改善
さらにハッシュタグ毎に、商品一覧ページが自動生成され、これがGoogleにインデックスされていきます。例えば、①のキャプチャ内の商品にタグ付けされている「爽やか クルーネック」というハッシュタグをもつ商品が一覧化されたページが作られ、それがGoogleの検索結果ページに出るといった仕組みになります。ロングテールキーワードの強化がメインキーワードの強化にもつながる構造のため、SEOの全体的な改善を実現します。一般的にはマーケターやライターによる地道な対策が必要なこの領域ですが、awoo AIがあれば手間いらずで細かやかなSEO対策が可能です。ここが非常に魅力的なポイントです。

③購買動機にフィットした潜在ニーズの商品を掘り起こす仕組み
AIは、ハッシュタグを軸にユーザーの購入意図をグループ化することもでき、その情報を元にサイト内でおすすめ商品をレコメンドする事が可能です。
例えば、「吸水速乾のTシャツ→軽量のメガネ→防滴のイヤホン」といった回遊行動から、「ランニング用品を探している」というユーザーの動機を発掘し、さらに「吸水速乾の靴下・軽量のバッグ・防滴の時計」といった潜在ニーズの商品のレコメンドが可能になります。
ユーザーの行動や興味関心ベースで学習した情報を元にしたレコメンドとはロジックが異なるため、新しい効果を期待できます。

また、商品に関する学習情報は、サイト内にとどまらず、メール / LINE等のCRM、さらにはオフラインへ活用できる機能もあるようです。
ハッシュタグ自動生成の仕組み
ハッシュタグは以下3つのアプローチで、NLP(自然言語処理)とビジュアルAIで特徴を抽出し、タグを生成します。
①データフィード(商品情報)からキーワードを抽出 ②Webクローラー、SNS、ブログ、検索エンジン等外部からキーワードを補完 ③画像からキーワード補完
さらにAIは多数のハッシュタグの中から効果の高いタグを選定し、その後はサイト上でのユーザーの反応や商品と商品の相関関係、在庫状況等も参考に機会学習をし、常にキーワードを最適化していきます。
awoo AI の始め方
導入に必要な主なタスクは以下のとおりです。
- データフィード(商品フィード)
ハッシュタグ生成のため、AIの学習対象となる商品情報の提供が必要になります。またその商品情報はハッシュタグ別の商品一覧ページ生成や、レコメンドでも使用されるため、在庫切れや新商品を反映するなど、定期的な連携が前提となります。
- UIデザイン設計
サイト上へハッシュタグや商品レコメンド機能をどのように配置していくかを決めていきます。
- APIの実装
AIが学習を行うために必要なAPIをサイト内に組み込みます(SDKでの導入も可能)。
- 各種必要なアカウントの権限付与
ハッシュタグの選定や最適化を行うためGoogle Analytics、Google Search Console、Google Tag Manager 等の閲覧権限を共有します。
データフィード(商品フィード)のポイント
必要な項目はGoogle Merchant Centerの仕様と類似していますが、一部注意が必要です。例えば、Googleでは色サイズ等のバリエーションがあれば、それぞれ違う商品として登録する必要がありますが、 awoo AI ではバリエーションがあっても、サイト上で同一の商品ページにまとまっていれば、1つの商品として登録する必要があります。
さいごに
SEO・CXを一気通貫で改善できる、ハッシュタグ接客サービス「awoo AI 」をご紹介してきました。
awoo AI についてより詳細な情報をお求めの方、また導入で必要なデータフィードに関して詳細な情報をお求めの方は、以下のフォームよりお問い合わせください。