awoo AI をご存知でしょうか?AI が商品を「理解」して関連するハッシュタグを自動生成し、EC サイトの UX を改善し、CV 率や回遊率を向上させることができるサービスです。
たとえば、ヘアケア・スキンケア用品を中心に取り扱うロクシタンの公式通販サイトでは awoo AI を導入し、ハッシュタグを表示しています。(※ 2023 年 10 月現在の状況です)
awoo AI は、日本市場に進出した 2020 年以降、導入企業は 100 社を突破し、2022 年と 2023 年のファッションECアワード(繊研新聞主催)では 2 年連続でサポート賞を受賞するなど、EC 業界の中でも注目を集めています。
今回は、awoo AI の効果事例とその仕組み、始め方について解説します!
awoo AI の効果・導入事例
導入企業全体の平均値
まずは、awoo AI 導入企業の全体における効果を見てみましょう。
2023 年 6 月集計時の数値は以下の通りです。
- CVR 254%(2.54 倍)
- 回遊率 340%(3.4 倍)
- 滞在時間 372%(3.72 倍)
- 離脱率 -71%(0.29 倍)
- 直帰率 -90%(0.1 倍)
(awoo AI サービス資料より)
導入企業の平均で CVR が約 2.5 倍、回遊率が約 3.4 倍になっていることから、どの企業でも安定して一定の効果が出ていることが伺えます。そもそも、導入企業全体の平均値をポジティブな意味合いで公表できること自体に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
また、これらの数値は、後述する「awoo page」を通過したユーザーと通過していないユーザーの比較であることから、awoo AI の機能のなかでも「awoo page」が重要な役割を持っていることがわかります。(詳しい機能については後述します)
EC サイトでの導入事例
次に個別の導入事例についてもいくつか見てみましょう。
ロクシタン・ジャポン
ヘアケア・スキンケア用品を中心に取り扱うロクシタンの公式通販では、以下のような効果が出ています。
- サイト回遊率 5.2 倍
- 離脱率 -82%
- 直帰率 -93%
- CV率 6 倍
(awoo AI サービス資料より)
導入前の課題として、「グローバルで統一された UI/UX になっていたため、欲しい商品にたどり着けないという声が多かった」ことが挙げられています。awoo AI とハッシュタグの導入によってこの「行き止まり」問題を解決し、上で記載したような高い効果を得ることができました。
事例の詳細はこちらから確認できます。
awoo AI 活用事例 ロクシタンジャポン – awoo
富澤商店
製菓材料を取り扱う富澤商店通販サイトでは、以下のような効果が出ています。
- サイト回遊率 8.3 倍
- 離脱率 -88%
- 直帰率 -87%
- CV 率 11.5 倍
(awoo AI サービス資料より)
ハッシュタグ生成やポップアップ機能など『awoo AI』の複数の機能を活用したことで、上記の効果が得られました。特に、CV 率が 10 倍以上と大幅に向上している点は注目です!
事例の詳細はこちらから確認できます。
awoo AI 活用事例 富澤商店 – awoo
タカラトミー
おもちゃ・ホビーを取り扱うタカラトミーモールでは以下のような効果が出ています。
- サイト回遊率 3.1 倍
- 離脱率 -67%
- 直帰率 -77%
- CV 率 2.8%
(awoo AI サービス資料より)
サイト回遊率が 3.1 倍、CV 率が 2.8 倍になっただけでなく、生成されるハッシュタグの内容からサイト内の検索ニーズも把握できるようになったとのことです。
事例の詳細はこちらから確認できます。
awoo AI 活用事例 タカラトミー – awoo
その他の事例
上記で紹介した企業以外にも、ピーチジョン、4℃、ACE など知名度のある企業の導入事例が多数公開されています。
awoo AI の仕組み
awoo AI の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
ハッシュタグ生成の基本的な仕組みは以下の通りです。
- 「商品タイトル」「ブランド名」「商品説明文」「画像」「カテゴリー」などの情報が含まれたデータフィードを AI にインプットします。
- AI がデータフィード内の情報を解析し、商品の特徴を理解します。
- 商品の特徴をもとに、関連性の高いワードをハッシュタグとして自動生成します。
- それだけではなく、ハッシュタグに対するユーザーの反応や、SEO における検索ボリューム、取扱状況等を AI が学習して、最適化を行います。
(awoo AI サービス資料より)
注目しておきたいのは、、ハッシュタグは一度生成したものがずっと固定されるわけではなく、AI によって最適化(更新)されていく、という点です。これによって、効果の低いハッシュタグは次第に消え、効果の高い=「売れる」ハッシュタグがサイト上に常に掲載されていきます。
また、自動生成に完全に頼るのではなく、専任チームが任意のキーワードを手動でタグ付けする対応も実施されています。AI による自動生成をベースにしつつ、人の手によるコントロールが加わることで、よりハッシュタグの品質を高めることができます。
awoo AI のハッシュタグの使い道
データフィードをもとに生成されるハッシュタグの基本的な使い道は「商品詳細ページ」と「カテゴリーページ」の 2 つです。
また、ハッシュタグひとつひとつに対して「awoo page」が自動生成され、これらのページが回遊率や CVR の向上に大きく寄与しています。
商品詳細ページ・カテゴリーページ
(awoo AI サービス資料より)
サービス資料で図示された例では、「ラウンドネック T シャツ」という商品の詳細ページに「#Tシャツ ラウンドネック」「#Tシャツ ロゴ」「#トップス オーバーサイズ」といったハッシュタグが表示されています。また、「トップス」のカテゴリーページも同様に、「#トップス コットン」「#トップス オーバーサイズ」といった関連するハッシュタグが表示されています。
これらのタグをクリックすると、awoo page に遷移します。
awoo page
awoo page とは、各ハッシュタグをクリックすると遷移するページです。そのハッシュタグのキーワードに関連する商品群が表示されます。
(awoo AI サービス資料より)
awoo page があることで、「目についた商品のページにランディング」→「ハッシュタグをクリックしてawoo pageに遷移」→「関連する商品のページに遷移」→「ハッシュタグをクリックしてawoo pageに遷移」…というループ状の動きが自然と起こり、回遊率や CVR の向上につながっているのだと考えられます。
awoo AI が優れている点
商品詳細ページに訪れたユーザーに対して、「こちらの商品もおすすめです」といった形で別の商品をレコメンドする技術/サービスは従来から存在しました。そういった従来のレコメンドに対して、awoo AI が優れている点をいくつか紹介します。
「コールドスタート」問題の回避
コールドスタート問題とは、AI を搭載したサービスを実装しても、学習データが十分に蓄積するまでは効果を発揮しづらい問題のことを指します。
従来のレコメンドでは、ユーザーの行動データを解析・学習し、それをもとに関連度の高い商品をおすすめする、という仕組みが主流でした。それにより、ユーザーの行動データのインプットが一定量蓄積されるまでは、適切な商品をレコメンドすることができない、というデメリットがありました。
awoo AI の場合は、ユーザーの行動ではなく、データフィードから商品の特徴を理解し、それをもとにハッシュタグが生成されます。つまり、学習データが貯まるのを待つ必要がなく、はじめから最適化された状態でスタートすることができます。
クッキーレス
awoo AI はユーザーの行動ではなく、商品の特徴をベースにハッシュタグを生成するので、クッキーを一切使用しません。
近年、クッキーの利用に対する規制は、日本・海外を問わず強まっています。クッキーを使った広告やレコメンドの効果に対する懸念の声もあるなか、完全にクッキーレスで売上を上げられる点は、EC サイトにとって心強いと言えるでしょう。
ハッシュタグで広がる新たな商品との出会い
また、従来のレコメンドは、一つの商品に対して関連性の高い「商品」をレコメンドしていましたが、閉じた趣味嗜好の範囲内でしかレコメンドされない、というデメリットがありました。
それに対して、awoo AI が提供するのは、「商品」のレコメンドではなく、「ハッシュタグ」です。ハッシュタグを介した回遊行動は、ユーザーの趣味嗜好を広げる体験を提供することができます。
(awoo AI サービス資料より)
たとえば、スポーツ用メガネのページにランディングしたユーザーが、「#スポーツ」というタグをクリックし、awoo page に遷移すると、そこには速乾吸収の T シャツやソックス、防水イヤホンなどの商品が表示されています。このとき、ユーザーの頭の一番上にあったニーズが「ランニング用のメガネが欲しい」だったとしたら、ハッシュタグを介した回遊によって、「速乾吸収のソックス」や「防水イヤホン」など、潜在的なニーズが掘り起こされたといえます。
ここで起きている事象は、店舗における衝動買い≒セレンディピティの再現として捉えることができ、awoo AI の画期的な部分のひとつと言えるでしょう。
awoo AI の始め方
awoo AI の導入までのステップは以下のように示されています。
- 仕様確認
- 契約
- データフィード連携
- 実装(API or SDK)
- リリース
また、「1.仕様確認」「2.契約」までに平均 2 週間程度、「3.データフィード連携」「4.実装(API or SDK)」「5.リリース」で平均 2-3 ヶ月程度の時間がかかることから、導入決定からリリースまでは概ね 3-4 ヶ月程度と見積もっておくと良さそうです。
おわりに:awoo AI のデータフィードについて
導入までのステップにもありますが、awoo AI を始めるためには、データフィードの用意が必須になります。
必要な項目は Google Merchant Center の仕様と類似していますが、一部注意が必要です。例えば、Google では色サイズ等のバリエーションがあれば、それぞれ違う商品として登録する必要がありますが、 awoo AI ではバリエーションがあっても、サイト上で同一の商品ページにまとまっていれば、1 つの商品として登録する必要があります。
dfplus.io は awoo AI のデータフィードのパートナーとして登録されており、ツール上でも正式対応しています。
既に dfplus.io をご利用のユーザー様であれば、管理画面から awooAI のフィードを簡単に作成することができ、導入までの期間を早められる可能性もあります。
お困りのことがあればサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!