2023 年 12 月、LINEヤフー社より「検索連動型ショッピング広告(SSA)」「商品情報掲載」の提供開始がアナウンスされました。
EC に特化した Yahoo! の新しい広告メニューであり、かつ、同様の形式の「Google ショッピング広告」は多くの EC サイトが利用する鉄板施策となっていることから、大きな注目を集めています。
Google ショッピング広告と同様に、データフィードの作成・管理が必要ですが、弊社の提供するデータフィード管理ツール「dfplus.io」は正式に対応済みです!
本記事では、「Yahoo!検索連動型ショッピング広告 (SSA)」「商品情報掲載」の基本概要・配信までの流れ・利用条件について簡単に解説します!
Yahoo!検索連動型ショッピング広告 (SSA) とは
Yahoo!検索連動型ショッピング広告(SSA)とは、Yahoo!検索で商品情報などを検索した際に表示される「コマース検索モジュール」の最上部に、EC サイトの商品を掲載できる広告です。「Shopping Search Ads」の頭文字を取って「SSA」と呼ばれています。
コマース検索モジュール内でのクリックは、上部に集中していると言われています。最上部で EC サイトの商品を訴求でき、商品ページに直接遷移させられることが強みです。
課金形式は一般的なリスティング広告と同様、クリック課金型(CPC 課金型)となっています。また、SSA の利用には後述の「商品情報掲載」の利用が必須となります。
また、SSA の掲載はスマートフォンのみで、パソコンで検索した際には表示されないことにも留意しておくとよいでしょう。
商品情報掲載とは
商品情報掲載は、コマース検索モジュールの 2 段目以降に EC サイトの商品を掲載できる機能です。SSA と異なる点としては、掲載位置のほかに、
- 広告ではないので運用が必要ない
- 商品情報掲載を経由して購入が行われた際に料金が発生する(成果報酬型)
- スマートフォン、パソコン両方で表示される
といった点が挙げられます。
コマース検索モジュール内で、 2 段目以降の商品をクリックすると、「関連商品を表示するページ」や「同一商品を扱うサイトの一覧ページ」などを経てから、最終的に EC サイトの商品ページに遷移する挙動のようでした。 SSA と違って、 EC サイトに遷移するまでに複数のステップを挟む点に留意しておくとよいでしょう。
また、前述のとおり、SSA を開始するためには、まずは商品情報掲載の利用を開始する必要があります。
配信までの流れ
配信開始までのステップを簡単にまとめると、以下のようになります。
- アカウント作成
- 商品情報(データフィード)の登録
- 商品情報掲載の設定
- SSA 配信設定
アカウント作成
SSA 及び商品情報掲載を利用するためには、以下 2 種類のアカウントを発行するところからはじめます。
- SSA アカウント: Yahoo!広告管理ツール上でキャンペーン等の設定に使用
- LINE Merchent System(LMS)アカウント:商品情報(データフィード)の登録・管理に使用
商品情報(データフィード)の登録
Yahoo! の仕様に沿って作成したデータフィードを LMS に登録します。通常、データフィードは CSV や TSV といったファイル形式が多いですが、LMS では JSON 形式が指定されている点に留意しておきましょう。
データフィードの登録が完了後、Yahoo!広告アカウントと LMS を紐づける作業を行います。
※ dfplus.io をご利用のお客様の場合、「LINE Merchant System」を選択していただければ、専用の JSON 形式のデータフィードの作成とアップロード先の SFTP サーバの設定が管理画面内より可能です。
商品情報掲載の設定
広告管理ツールで、コンバージョンの新規作成を行い、発行されるコンバージョンタグを EC サイトに実装します。
その後、LINEヤフー側でコンバージョンの送信実績のチェックが行われ、問題なければ商品情報掲載がスタートします。
SSA 配信設定
広告管理ツールで、SSA キャンペーン、広告グループ、商品グループの新規作成・設定を行い、広告を配信開始します。
利用条件
SSA 及び商品情報掲載にはいくつか利用条件があるので注意が必要です。
(※ 2023 年 12 月時点の情報であり、機能拡充等によって変更される場合があります)
契約形態
正規代理店など、売掛取引(後払い方式)のアカウントを運用していることが条件となっています。
サイト
ブランド公式サイトなどの EC サイト、または EC モールで、
- サイト上で決済完了まで可能なこと
- Web 上でサービスを展開していること
が条件となっています。
EC モールの店舗サイトや、アプリのみで提供しているサービス、まとめサイト、個人間取引サービスは対象外となっています。
販売制限
中古品、アルコール、薬、CD、DVD、書籍、ゲームソフト等の商品は、商品情報掲載の利用は可能ですが、SSA の配信は不可となっています。
また、自動車・オートバイ、ペット・昆虫、物販にあたらない商品(イベントチケット、ギフト券、各種サービス)は、商品情報掲載、SSA ともに不可です。
解説: EC の鉄板集客施策 Google ショッピング広告の Yahoo! 版が登場!
dfplus.io チーム
横関 哲 ( @tetsu0116_)
今回の LINEヤフーからのリリースを見たとき、「ついにきたか!」と思いました。というのも、検索結果ページの上部で EC サイトの商品をアピールする広告のポテンシャルの高さは、Google ショッピング広告で証明済みだからです。
Google ショッピング広告は、EC サイトの新規集客を考える上で、真っ先に選択肢に上がる施策の一つだと思います。実際、dfplus.io のユーザーを対象に調査を行ったところ、88.5% の EC サイトが Google ショッピング広告を実施していたという結果も出ています。
こうした Google ショッピング広告の人気の高さから、2023 年に Microsoft 広告が日本上陸した際にも、同形式の広告メニューが提供開始されています。こういった流れに対して Yahoo! も対応してきた、といった見方をすることができます。
2024 年 1 月現在、Yahoo! は日本における検索エンジンのシェアで第 2 位につけており、10~15% 程度のシェアを維持しています。母数となるユーザー数の規模を考えると、無視できないボリュームを確保していると推察されます。
とはいえ、上記のグラフからもわかる通り、やはり Google が圧倒的です。なので、ショッピング広告を始めるならまずは Google を抑える。ここまではまず間違いないかと思います。
次の一手を考えたときに、従来であれば、Microsoft(bing)のショッピング広告を始めるか、あるいは、検索からは一旦目を離し、Instagram や Pinterest などの SNS に向けた集客施策を考えるか、というのが定石のパターンでした。
ですが、ここにきて、その選択肢の中に「Yahoo! のショッピング広告」が加わった、というのが今回起こった変化です。Yahoo! は日本での知名度が高く、LINE との合併の流れからも、Google とはまた違ったユニークなユーザー層を抱えているのではないかと個人的には考えます。
まだローンチから日が浅く、各社が実績・事例を集めている段階だとは思いますが、ぜひ EC の集客施策の打ち手の中に「Yahoo! 検索連動型ショッピング広告(SSA)/商品情報掲載」を加えてみてはいかがでしょうか。
我々 dfplus.io チームにご相談いただければ、必要となるデータフィードについてサポートすることが可能です。ぜひお気軽にご連絡ください!
< dfplus.io チームへのお問い合わせはこちら>