Shopify入門|注目される理由や特徴、メリット・デメリット、最新機能をまとめて解説

コラム
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このところ、Shopify関連の記事を目にしない日はないといっても過言ではない程、Shopifyの注目度の高さを感じています。

そこで、忙しいマーケターの皆さんに向けて、Shopifyの何がすごいのか?Shopifyの特徴や最新機能など、Shopifyの「まずはこれだけ押さえておこう」をまとめました。

Shopify(ショッピファイ)とは?

Shopify とは、175ヵ国で100万以上のショップが利用している世界最大級のマルチチャネルコマースプラットフォームです。

2004年にカナダで創立された後、2017年11月には日本法人が設立され、管理画面やサポート対応などのローカライズ、様々なサービスや決済方法との連携が進み、日本でも多くの企業が導入するなど盛り上がりをみせています。

Shopifyの特徴・メリット

クラウド型ECプラットフォームで簡単にECサイトを構築

Shopifyは、ECサイト構築・運営に必要な機能を提供するクラウド型(SaaS)のECプラットフォームです。ミニマムなプランでは月額$29からスタートすることができ、また、Shopify Plusを利用することで大規模なECサイトにも対応しています。

ページ作成、商品登録、カート機能、在庫管理、決済、配送設定といったECサイト運営に必要な基本機能から、越境EC対応、マルチチャネル対応、マーケティング機能(ブログ、SEO、メールマーケティング、広告)まで、ECサイト構築・運営に必要な機能を備えているため、自社でサーバを用意したり、ECシステムのパッケージを導入する必要がなく、簡単に自社ECサイトを構築することができます

  • ストアフロント
  • ショッピングカート
  • ストアマネージメント
  • マーケティング&SEO
  • 商品管理
  • ウェブホスティング
  • ストア分析
  • モバイルアプリ
  • 24時間体制のサポート(英語)

(参考:https://www.shopify.jp/online/ecommerce-solutions

クラウド型なので、セキュリティ対応やソフトウェアのアップデートなどシステムメンテナンスもサービス側が対応してくれるため、事業者は、本来のECサイト運営に集中できる点も大きいメリットです。

柔軟なデザイン性

Shopifyには、予め無料・有料のテーマ(テンプレート)が用意されています。これらのテーマを利用することで、デザインやプログラミングの知識がなくても、管理画面上の操作だけで、ECサイトのページを作成することができます。

また、テーマをベースに、カスタマイズができるので、自社のブランドイメージにマッチする洗練されたECサイトを作成することができます。(管理画面上のテーマエディタを利用した簡単なカスタマイズから、HTML、CSS、Liquidを利用した複雑なカスタマイズまで可能)

(画像引用:https://themes.shopify.com/

オンラインストア開設に必要な無料のロゴ作成ツール(Hatchful)やフリー画像のストックフォトサイト(Burst)などの”ちょっと嬉しい”お役立ちツールまで用意されています。

スケーラビリティ

Shopifyは、サイトの規模や売上にあわせて、ベーシック・スタンダード・プレミアムの3つのプランが提供されており、個人ストアから大規模ECまで対応しています。(※大企業や取引量の多い企業向けのソリューション Shopify Plusもあり)

従来型のECサイトであれば、ECサイトの成長にあわせて、システムを増強したり、ECパッケージの乗り換えが必要でしたが、Shopifyであれば柔軟にプラン変更ができるため、スケーラビリティという点でも魅力的です。

(画像引用:https://www.shopify.jp/pricing

アプリの活用でストア機能を拡張できる

Shopifyの基本機能に加えて、アプリといわれる拡張機能を追加することで、自社ECサイトに必要な機能を追加し、カスタマイズすることができます

自社のニーズにあわせてストア機能を簡単に拡張できることも大きなメリットです。

例えば、のしオプションや配送日時の指定、送料無料の表示、代引き手数料対応など日本独自の商慣習にあった機能も、アプリの導入で、まるでパーツを追加するようにカスタマイズできるのはShopifyならではの魅力だと思います。

(画像引用:https://apps.shopify.com/?locale=ja
世界中で開発されたアプリ(有料・無料)が公開されています。)

また、希望するアプリがない場合でも、Shopifyのコミュニティには、「今はないけど、あったらいいな」の要望を書き溜めていく場所、アプリ要望一覧があったりするところも個人的に好きなところです。

マルチチャネル対応

昨今では、ECサイトだけでなく、様々な増え続けるチャネルでのタッチポイントにも対応する必要があります。

Shopifyは自身を「クラウド基盤のマルチチャネルコマースプラットフォーム」というようにShopifyにはマルチチャネルに対応するための様々な機能を提供しています。

それぞれのチャネルに個別で対応するのではなく、Shopifyを軸に、EC、実店舗、Instagramショッピング/Facebook Shop、楽天やAmazonといったECモール、マーケットプレイス等、様々なチャネルに対してリテールを展開していくことができます

  • 実店舗:Shopify POS(後述)
  • InstagramショッピングやFacebook Shopとの連携
  • 楽天やAmazonといったECモールと販売チャネルを連携
  • 楽天やAmazonに代表されるマーケットプレイスへの出品
  • ”Shopify購入ボタン”を埋め込んで、ウェブサイトやブログに掲載

参考

さらに、広告についてもShopifyからGoogleのスマートショッピングキャンペーンやFacebook広告を出稿することができます。

API連携が可能

ShopifyはAPIが公開されています。

APIを利用するメリットとしては、2つあります。
一つ目は、Shopifyアプリの開発です。自社が必要とするアプリを開発し独自に機能を追加したり、アプリストアで公開するアプリを開発することができます。

二つ目は、ヘッドレスコマース(後述)の実現です。例えば、APIを利用することで、コンテンツ管理システム (CMS)や、顧客関係管理システム (CRM)など他のシステムをフロントエンドやバックエンドに柔軟に接続・連携することができます。
これは、前述のマルチチャネルへの柔軟な対応にもつながります。

Shopifyのデメリット

すべてが日本語化されているわけではない

Shopifyはカナダで創立されたサービスで、日本法人の設立が2017年と未だ日も浅いことから、新しい機能のドキュメントなど一部日本語化対応されていない部分も残ります。サードパーティアプリについても、海外のディベロッパーが開発したアプリは、当然、言語が英語になります。

とはいえ、翻訳ツールを利用することである程度対応できる思いますし、今後は、より一層日本市場にあわせたローカライズや機能追加が進むでしょう。さらに、日本企業による日本独特の文化や慣習、セキュリティ面を考慮したアプリリースについても期待できます。

国内外のサードパーティアプリを利用する際の注意点としては、自社のセキュリティ基準を満たしているか等、アプリを提供している会社の概要を確認し、可能な限り総合的な評価を行った上で、利用されることをおすすめします。

柔軟性があるからこそ

Shopifyのメリットとして、柔軟性や拡張性が高いことを紹介しました。
裏を返せば、提供されている機能やアプリなどをどう利用するかは、自分達次第であるとも言えます。

Shopifyを導入すればすべてOKということではなく、自分達がある程度設定を行い、その機能を使いこなしてこそ、Shopifyの強みを活かしたECサイト構築ができるということになります。

Shopifyが注目される背景・理由

ヘッドレスコマースとAPI

最近よく聞くようになった「ヘッドレスコマース」。

ヘッドレスコマースとは、頭と身体を切り離したECサイトのシステム構造(アーキテクチャ)、つまり、顧客体験を提供するフロントエンド(プレゼンテーションレイヤー)とインフラ技術を支えるバックエンド(オペレーションレイヤー)を切り離したECのシステム構造のことです。

ここ数年だけでもEコマースを取り巻く環境の変化は目まぐるしく、顧客とブランドとのタッチポイントは複雑化しています。

フロントエンドが担うその対応範囲は、PCやモバイルだけではなく、SNS、モバイルアプリ、実店舗、ウェアラブルデバイス、ホームスピーカー、スマート家電など多岐にわたり、これらの変化に柔軟に対応する必要があります。

一方、バックエンドが担う、基幹システム(ERP)、インフラ、セキュリティ、顧客情報、決済システム、フルフィルメント(受注、梱包、在庫管理、発送、受け渡し、代金回収など)などは、複数のシステムが複雑に連携していることも多く、簡単にカスタマイズすることは出来ません。

従来のフロントエンドとバックエンドが一体化したシステム構造では、新たなチャネルやユーザーニーズにスピーディかつ柔軟に対応することが難しいことがわかります。

そこで、フロントエンドとバックエンドを切り離し、APIを利用して、複数のシステムやチャネルをシームレスに統合するヘッドレスコマースが注目を浴びるようになりました。

それぞれが独立して開発を行うことで、スピーディな開発を可能にし、APIを利用して、変化する顧客の購買行動に対応していくことが可能になります。

コアラ・マットレスをはじめとした寝具・家具を販売するKoala社はカスタマイズされた顧客体験の提供を目的に、Shopify PlusとAPIを組み合わせ、システムのフロントエンドとバックエンドを分離しています。

(Koala社のヘッドレステクノロジーのインフラ
  画像引用:https://www.shopify.jp/blog/headless-commerce

D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)

Shopifyが注目される背景には、自社で企画・製造したオリジナリティ溢れる商品を、直接消費者に販売するD2Cブランドの影響も無視できません。

D2Cブランドは、スタートともにブランド力を発揮できる洗練されたECサイトを立ち上げ、その後、成長とともにECサイトを変化させる必要があります。多くのD2CブランドがShopifyを利用したECサイトを構築していることでも話題になっています。

最新のコマースソリューション

サブスクリプションAPI(定期購入)

2020年10月8日、Shopify公式の定期購入機能として、サブスクリプションAPIが公開されることが発表されました。

サブスクリプションは(改めて説明する必要はないかと思いますが)、利用している期間だけ料金が発生するしくみで、月額制の音楽配信サービスや商品の定期購入などがこれにあたります。

これまでShopify公式としての定期購入機能は提供されておらず、サードパティアプリを利用することで対応していました。ところがこの場合だと、Shopifyのチェックアウト機能を利用できなかったため、決済手段を別に用意する必要がありました。

サブスクリプションAPIが公開されることで、Shopifyのチェックアウト機能を利用する形で定期購入アプリを開発することが可能になります。

サブスクリプションAPIは、まず一部パートナーへ展開され、ベータ版でのアプリ開発を経た後、2021年1月の公開を予定しているとのことです。

(Shopify サブスクリプションAPI
画像引用:https://www.shopify.jp/blog/partner-town-hall-recap-october

Shopify POS(ECと実店舗の連携)

2020年9月29日、ECと実店舗を一元管理できるPOS機能であるShopify POSを日本で提供開始しました。※POS(Point of sale):販売時点情報管理

Shopify POSでは、タブレットなどのモバイル端末を利用して、商品検索、注文処理、支払い回収、レシート発行、在庫連携をShopifyの管理画面から行うことが可能です。また、実店舗とネットショップを連携し、在庫や売上を一元管理することができます。

Shopify POS対応のポイントアプリである EasyPoints を利用することで、ポイントシステムを導入することも可能です。

Shopify POS自体はすでに2020年5月に、グローバル展開されていましたが、新型コロナウイルス感染症により、購買行動のオンライン化や、オンラインと実店舗の連動のニーズの高まりを受けて、機能をアップデートする形で日本への提供が開始されています。

新たな機能には、オンラインで注文して、安全な形で実店舗や店舗外(カーブサイド)で商品を受け取るオプション「店頭受取」や全店舗における日々の売上、平均注文単価、平均購入商品数の可視化などレポート機能の強化が含まれています。

Shopify導入サイト

日本では、ゴーゴーカレー・BASE FOOD・土屋鞄製作所・TOKYO BIKE・TABIO・とらや・鎌倉シャツ・ジョンマスターオーガニックなどでの導入実績があります。

また、海外では、P&G・ネスレ・レッドブル・カイリーコスメティクスなどでの導入実績があります。

(参考:ECのミカタ 企業HP Shopify(ショッピファイ)

http://www.gogocurry.com/
https://www.johnmasters-select.jp/
https://jp.kurasu.kyoto/

さいごに

ECを取り巻く環境は絶えず、変化・進化を続けています。

個人ストアから大規模ECまでその対応範囲は広く、柔軟性・拡張性に富むプラットフォームであるShopifyが注目される理由も納得できるものだと思います。

2020年9月29日にはShopify Japanによる日本向けの新サービスのリリースがあったように、今後もローカライズも含めたサービス・機能拡充が期待できそうです。

今後もフィードフォースでは、Shopifyを活用する事業者様を支援するためのアプリを随時提供してまいります。

<補足>
2020年9月29日、Shopify Japanは、新型コロナウイルス感染症によりオンライン化が進む中、日本向けの新サービスのリリースを発表しました。

  • 実店舗とネットショップを一元管理できるPOS機能、Shopify POSの日本ローンチ
  • Shopify ペイメントがJCBのカード決済、PayPayに対応
  • 既存のネットショップを簡単にShopifyへ移行できるツール

(参考:DX(デジタルトランスフォメーション)支援で急成長中のShopifyが個人・中小企業も活用できる様々な新機能の提供開始|Shopify Japan 株式会社のプレスリリース


※本記事の初出は「Feedmatic Blog」です。

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