【インティメート・マージャーさんに訊いた】ポストCookie対策はすぐ始めるべき!デジタル広告だけでなくマーケティング戦略全体の見直しを!

コラム
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3rd Party Cookieの規制は2017年から段階的に行われており、リターゲティング広告などで利用できるブラウザは減少し、すでに40%しかないそうです。「ポストCookieへの対策は『いつ始めるか』ではなく『すぐに始めるべき』」と語るインティメート・マージャー社・代表取締役社長の簗島さんに、これまでの影響と今後の対策について伺いました。

お答えいただいた方:
簗島 亮次 様

株式会社インティメート・マージャーの代表取締役社長を2013年の創業時から務める。大学時代からデータ領域を専門とし、脳科学の研究から人工知能のアルゴリズムのロジックづくり、データを活用した短歌・俳句・大喜利など、データを軸にさまざまな活動を行う。現在は、同社にて「ポストCookie」というデータとしては難易度が高い課題に真正面から向き合う。

インティメート・マージャーは、初期から「3rd Party Cookie規制への対応」という難易度の高い課題に取り組む

ーインティメート・マージャーの紹介をお願いします!

インティメート・マージャーは2013年から事業を開始し、もともとはデータマネジメントプラットフォーム(DMP)のサービスを提供していました。3rd Party Cookieを使ったオーディエンスデータを大量に保有し、デジタル広告で特定のターゲットに配信する仕組みや、データを使ってターゲティングの精度を上げる仕組みを提供している会社です。

このような事業を行っているので、3rd Party Cookieが使えなくなるのはとても大きな影響があります。そのため、インティメート・マージャーでは3rd Party Cookieが使えなくなる未来に向けて、2018年ごろから「ポストCookieソリューション」と言われる3rd Party Cookieを使わないデジタルマーケティングの仕組み作りに、継続的な投資を行っています。

現時点では、IM-UIDやリアルタイムデータ連携というCookieが無くても、ターゲティング広告ができる仕組みを提供しています。1つではなく複数のソリューションを展開することで、3rd Party Cookieが無くてもターゲティング精度を担保できるようなソリューションを提供しています。

日本では「ポストCookie」や「Cookieレス」と言われる具体的なソリューションを出している会社は多くありません。海外では、ID5やUID2.0、LiveRampというサービスがありますが、データはメディアに依存するため国ごとに異なりますし、国が違えば法律も変わってきます。

日本のデータではインティメート・マージャーが最大規模であり、そのデータを活用したポストCookieのソリューションを幅広く提供しています。

ポストCookieはデータを使うことにおいて難易度の高い領域のため、別領域に移るアドテクの会社もあります。しかし、インティメート・マージャーは、今までの事業と連動して「ポストCookie」という難易度の高い課題に真正面から取り組んでいます。

転載禁止 ©Intimate Merger Inc.

もうすぐリターゲティング広告ができなくなる?徐々に強化される3rd Party Cookie規制

リターゲティング広告が配信できるブラウザは、すでに40%に減少

ー3rd Party Cookie規制のこれまでの変遷について、教えてください!

2017年にITP(Intelligent Tracking Prevention)というiOSで3rd Party Cookieが制限される機能がリリースされたところから始まりました。その後、断続的に1~1.5年の周期で大きな地殻変動が起こり、どんどんデータの取得ができない状態になっています。

3rd Party Cookieは「法律」と「テクノロジー」の2つの面で規制が進んでいます。

法律面では、EUのGDPR、アメリカ・カリフォルニア州のCCPA、日本の改正個人情報保護法や電気通信事業法改正などにより、3rd Party Cookieだけでなくデータが全般的に使いづらくなっています。

テクノロジー面ではiOSでITPによる3rd Party Cookieが制限をされたり、WindowsのEdgeで利用ができなくなったりしています。3rd Party Cookieが取得できるブラウザの割合は段階的に減少しており、リターゲティング広告などで3rd Party Cookieが利用できるのは全体の40%しかありません。

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広告効果は段階的に下がり続けている

ー広告の効果に対しては、どのような影響がでているのでしょうか?

媒体などのテクノロジーで何とかなっているケースもありますが、段階的に広告効果は下がってきていると思います。全体的にCPAがすごい悪化している感じがします。

特に今年(2023年)から急激にパフォーマンスが下がったという話をよく聞きます。以前から徐々に広告効果は下がっていたはずですが、今年に入って違和感を感じるほど急激な変化があったのだと思います。

ーたとえば、Look a Likeに代表される拡張推計のように、各媒体でソリューションを増やしてはいるものの、穴埋めになっていないのでしょうか?

一部、穴埋めになってはいるものの、大きな効果の壁はあると思います。

拡張推計の場合、コンバージョンユーザーの類似オーディエンスを作成するのが基本です。拡張推計の精度を保つためには、均一なコンバージョンユーザーが一定数、必要になってきます。しかし、大型プロモーションなどで、普段とは異なるユーザーがコンバージョンすると精度が落ちるため、拡張推計には限度があるのではないかと。

Googleで言うと、P-MAXに移っている話も聞きますが、CPAが上がってしまっている会社が多そうです。ただ、GoogleやFacebookなど主要媒体の効果が悪くなっても、他の選択肢が多くないため、許容CPAを上げて対応される会社が日本だと多いですね。

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2024年末にGoogle Chromeで3rd Party Cookieが規制され、従来のリターゲティング広告ができなくなる

ーすでに広告効果に影響が出てるとのことですが、さらに影響が出そうな今後の予定はありますか?

今のところ、法律面での規制はなさそうです。ここから先で一番大きいのはテクノロジー面で、2024年末にGoogle Chromeで3rd Party Cookieが廃止されることです。

先ほど申し上げた、リターゲティング広告などで3rd Party Cookieが利用できる40%のブラウザはGoogle Chromeです。これが使えなくなるので、2024年末に従来のリターゲティング広告ができなくなります。

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ポストCookieへの対策は、デジタル広告だけじゃなくマーケティング戦略の見直しがカギ

新しい媒体への投資が当たり前になる

ー主要媒体の広告効果が下がる中でも、うまくいっている企業はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

うまくいっている企業は新しい媒体への投資をずっと続けている印象です。PinterestやMicrosoftに投資してみたり、それ以外にもTVerのようなコネクテッドTVを活用してみたりと、色々な媒体に投資をしています。

デジタル広告は基本的にオークション形式のため、新しい媒体に早く取り組むとオークションが発生しにくくコストが安くなる。それを知っている企業は新しい媒体に積極的で、投資する金額の割合も増えている気がします。

新しいことに取り組めている企業は体感で2割くらいですが、全ての企業で新しい媒体は少しでもいいから投資をしてみるのがいいと思います。先進的な取り組みをしている企業がやり始めたり、最近聞くようになったなという媒体に投資してみることが成功確率を上げる方法の1つだと思います。

海外では「メディアの断片化」と表現しますが、特定の媒体への依存は変化に対して、次に投資すべき場所が見えにくくなりやすい。そのため、いろんな媒体に投資することが増えてきてると聞きます。

日本も同じような状況になってくるのではないでしょうか。

MA、LPO、サイト改善など、既存ソリューションと広告の連携が大事

ーポストCookieへの対策として、広告以外のソリューションもありますが、これらにはどのように取り組むべきでしょうか?

ポストCookieの文脈でよく聞くのは、MA(Marketing Automation)ツールです。ただし、MAツールが既存顧客のLTVを上げるのが目的に対し、多くのデジタル広告は新規顧客の獲得が目的のため、代替にはなりにくいと思います。

その他には、デジタル広告のCPAの悪化をサイト側のCVR改善で補うために、レコメンドによるサイト改善やLPOなどのサービスに投資する企業が増えている印象です。

ー広告主の自社ID、1st Party Dataを活用した対策は何かありますでしょうか?

デジタル広告での活用は難しいと思います。広告媒体にメールアドレスをアップロードすることはできますが、広告配信で効果を出せるほどのボリュームにはなりにくいはずです。

一方で、広告の効果を上げるのではなく、LTVを上げるためにCRMとしての使い方を洗練させておくと良いでしょう。広告効果が下がっても、LTVが上がれば許容できるCPAをあげて投資ができるようになります。

MAツールなどの広告以外のソリューションについても同様で、広告の代替としてではなく、LTVやCVRをあげることで許容CPAをあげて投資を続けられるようにする。広告効果が悪化しても、耐えられるようなKPIを作っておくことが重要だと思います。

ーデジタル広告とCRMで担当部署が異なる場合は、組織的な課題も出てきそうです。

そうですね、デジタル広告を含めた広告宣伝は入り口の部分で、CRMは育成の部分と全然違ったりするので、このあたりは連携をしていかないといけません。

大前提として、我々のようなポストCookieのソリューションを使っても、今までと同じようなデジタル広告の効果を出すのは難しいです。なので、広告効果が悪化する前提でサイト内のKPIを再設計しておくのが重要になります。

担当部署が違う場合は早めにその壁を取っ払って、KPIを繋げて見れるようにしておきたいですね。サイトのCVRが上がりきってない会社もいっぱいありますし、メールもうまく使えていなかったり、CRMでシナリオ配信もできていない会社もいっぱいあるので、やれることは沢山ありそうです。

リテールメディアは新しい投資先として注目

ー日本でもリテールメディアの話題が多くなってきましたが、どのように見られていますか?

消費に近い情報なのでターゲティングの精度が良く、リテールのデータと何らかの媒体の組み合わせは投資する一つの選択肢になると思います。インティメート・マージャーでもローソンや日本アクセスと一緒に、リテールのデータを扱っています。

リテールメディアは日本でも注目され始めていますが、海外と比較するとID数の少なさが課題です。海外でリテールメディアに取り組む大手のウォルマートやターゲットに比べると、日本の大手小売店は市場占有率が低くなっています。海外だと大手1社の市場占有率が20%程度あるのに対し、日本だと最大手でも1社あたり10%程度でしょうか。

日本ではマツモトキヨシがリテールメディアを運営していますが、基本的には小売店が1社だけでやっていくのは難しいと思います。何社かで集まってプラットフォーム上でデータのビジネスをやるとか、何らかのターゲティング商材を作る形が良いのではないかと思っています。

転載禁止 ©Intimate Merger Inc.

ポストCookieへの対策は「いつ始めるか」ではなく「すぐ始めるべき」

ー最後にポストCookieへの対策でアドバイスをいただけますか?

今まではGoogleやFacebookがテクノロジーの力で効果を改善していたものが、ポストCookieの世界では悪化していく前提に変わります。そのため、デジタル広告の効果が下がっていく前提で、ユーザープロセスを含めたデジタルマーケティングの最適化を考えていく必要があります。

ーデジタル広告だけ考えるのではなく、マーケティング戦略の全体を見直したほうが良いということですね。

また、ポストCookieの対策は「いつ始める?」という話になりやすく、Google Chromeで3rd Party Cookieが使えなくなったら「やらざるを得ない」という状況ですが、対策は「すぐ始めるべき」です。

現時点でも、iOSとWindowsのユーザーには、3rd Party Cookieを利用したターゲティングはできません。大げさな例ですが、iPhoneのアクセサリーを売っている会社がiOSユーザーにリーチしたくても、3rd Party Cookieを使ったターゲティングではリーチできない状況です。

他にも、多くのECサイトでLTVを計算すると、1ユーザーあたりのLTVはiOSがAndroidより1.3倍ほど高くなります。iPhoneはAndroidと比較して端末が高いことから、iOSユーザーは高所得層が多く、可処分所得が高い傾向にあります。そうなると同じCPAで良いのか?という議論があり、LTVが1.3倍ならCPAも1.3倍にするべきでは?という話になります。

デジタルマーケティングの戦略のところから考えて、自分たちの商品がiOSユーザーに向いていて、リーチしなければいけないのであれば、インティメート・マージャーのようなポストCookieのソリューションにトライしてもらえるといいなと思います。

転載禁止 ©Intimate Merger Inc.

まとめ

3rd Party Cookie規制は段階的に進んでおり、すでに広告効果への影響がでています。2024年末のChromeによる3rd Party Cookieの廃止を待たずに対策が必要な状況です。新しい媒体への投資などデジタル広告での対策も欠かせませんが、ターゲットの見直し・CRM・サイト改善などマーケティング戦略の全体を見直すことが、ポストCookie時代で成果を出し続けるためには重要になりそうです。

自社サイトの来訪者における3rd Party Cookie規制の影響や、来訪者の属性について詳しく知りたい方は、インティメート・マージャー社に診断してもらうことができます。初回に限り無料で診断が受けられるキャンペーンを開催中なので、この機会に是非お試しください。

最適化シグナル取得診断 - IM - ポストCookieソリューション

また、インティメート・マージャー社では、ポストCookieソリューションに関しての相談も受け付けています。以下のURLよりお問合せください。

お問い合わせ | 株式会社インティメート・マージャー
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