ダイナミック広告において、ROASをKPIとしているから、単価の低い商品は広告に出したくない、またはCPA改善のために人気のないカテゴリは出さない方が効率が良くなるんじゃないか、とフィードから除外されていないでしょうか?
配信したくないアイテムを安易に除外してしまうと、エンジン学習に対して悪影響になり、広告成果が悪化したり、媒体によってはそもそもダイナミック広告が開始・再開出来ないことに繋がります。
この記事では、媒体ごとの影響と、その対応策についてご紹介していきたいと思います。
こんな理由で除外していませんか?
広告に出したくないので、フィードからアイテムを除外をするといっても様々なケースがあると思います。下記のような事情で除外をしていませんか?
- タイトルやディスクリプションなど必須項目が空のアイテム
- モデルの着画が使われており、契約上広告に出せない
- ROASをKPIにしている場合
- 単価の低い商品は除外
- CPAをKPIにしている場合
- 成果の悪いカテゴリは除外
今ドキッと思い当たった方、またフィードはどういう設定になっているか分からない、という方はこの機会に確認をしてみてください。
除外をすることでタグとフィードの不一致が起こる
では、なぜ広告に出したくないアイテムをフィードから除外すると、不一致が起きるのでしょうか。
理由は、サイト上に掲載してある限り、広告には出ていなくてもユーザーはサイトを回遊して、その除外しているアイテムの詳細ページ、カート追加、購入ページ、お気に入り追加etc.にアクセスするケースはあります。その際にタグは発火します。
タグが発火した際に、エンジンは発火したアイテムの照合をしにフィードを確認します。
(どういうアイテムが見られているか、記憶しておいて、また次回同じユーザーに閲覧したアイテムを広告で出したり、同アイテムが多く発火していると人気アイテムと見なして、別のユーザーにもレコメンドしようとするんですね)
その際に、該当アイテムがフィードに無いとなると、それは不一致となってしまうのです。
不一致が起きることによる影響
不一致が起こることによる一番の影響は、エンジン学習が進まないことによる広告の成果の悪化です。
上記で触れたように、エンジンはタグで発火したアイテムの情報をフィードで確認し、レコメンドに活かしています。ユーザーが見たアイテムや類似・好みそうなアイテムを広告に表示するダイナミック広告においては、タグとフィードはエンジン学習にかかせないものです。
また、アイテム単位だけでなく、カテゴリやブランド、更にはプライスまで蓄積して、どういうブランドのカテゴリのどういう単価のアイテムをおススメすればいいか学習していっておりますので、なるべく多くの情報をエンジンに送ることがレコメンド精度を高めるコツです。除外をしていると、その機会損失をすることになり、成果を良くするどころか、逆に学習の妨げに繋がりますので、注意が必要です。
広告が開始・再開できない場合も
また、タグとフィードの不一致率が30%を超えている場合、CriteoとRTBHouseに関しては、エンジン学習に悪影響、きちんと成果が出せないという理由から、新規で広告を開始したい場合、また停止しているけど再開したい場合に、媒体側の審査落ちになりますので、注意が必要です。
除外が30%を上回ると開始・再開できない媒体
- Criteo
- RTB House
対応策
では、上記のような不一致が起こらないようにする、少しでも影響度を少なくする方法を媒体ごとにご紹介します。
フィードの項目名で「availability」を”out_of_stock”にする
広告に表示したくないアイテムをフィードから除外をしてしまうのではなく、availability(在庫)のカラムで状態を”out_of_stock(在庫なし)”にしておくことで、広告には表示されなくなります。
ただし、Criteo、RTB House、KANADEに関しては、”out_of_stock”にしておいてもエンジンのロジックで、不一致自体は起こります。
ただ、除外をするよりは一部フィードの情報を取得して、どういうアイテムやカテゴリが興味を持たれているかというレコメンドには活かせますので、是非除外をしてしまっている場合、「availability」のカラムを”out_of_stock”に設定しましょう。
Google広告でGoogle Merchant Center利用の場合、excluded_destinationで非掲載先の設定を行う
在庫があるのに、広告に出したくないからといって「availability」を”out_of_stock”にすることをGoogleは推奨していません。Google広告でアイテムを広告に掲載したくない場合、availabilityは正しい情報を設定しつつ、excluded_destination[非掲載先]で非掲載先の設定を行いましょう。
非掲載先属性の値にはディスプレイ広告ならば、Display Ads [ディスプレイ広告]、ショッピング広告ならば、Shopping Ads [ショッピング広告]など、Googleでサポートされている値があります。また、フィードのファイルの形式がテキスト形式かXML形式かでも記載方法は異なりますので、詳しい記載の仕方は下記URLをご参考ください。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
もちろんサイト自体から除外したアイテムを掲載しないようにしていれば問題ないですが、そうなると、サイト改修というエンジニアの工数やコストがかかる作業になり兼ねません。サイト改修による対応が難しい場合は、是非上記の方法をお試しください。
※本記事の初出は「Feedmatic Blog」です。
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