dfplus.io では月に 1 回程度、広告運用やデータフィードについて実践的なセミナーを行っており、無料でご参加いただけます。
2024 年 10 月 9 日に開催した 【Shopify ストア向け】「Google・Meta・Criteo公式アプリの広告成果を上げるデータフィード活用のすすめ」セミナーでは、Google、Meta、Criteo の公式アプリでできること/できないこと、データフィードの活用テクニック、広告成果が改善した事例についてご紹介しました。
本記事では、セミナー内容の要約をお届けします。
アーカイブ動画はこちら:
公式アプリ・販売チャネルについて
公式アプリ・販売チャネルでできること/できないこと
Googleショッピング広告、Meta Advantage+ カタログ広告、Criteo などの広告を始めるためには、以下を行う必要があります。
1. データフィードの作成・プラットフォームとの連携
2. 広告タグの設置
3. 広告キャンペーンの設定
「Google & YouTube」「Facebook & Instagram」「Criteo Sales Growth Ads」といったShopify の公式アプリ・販売チャネルでは、以下の 2 つができます。
1. データフィードの作成・プラットフォームとの連携
2. 広告タグの設置
これらは本来、一定の手間がかかる作業ですが、公式アプリを使えば自動で完了できるため、簡単に広告を開始することができます。
一方で、公式アプリにできないことは、以下の3つです。
- 広告用タイトルの最適化
- 任意フィード項目などの送信
- エラー解消
Googleショッピング広告、Meta Advantage+ カタログ広告、Crite oなどの広告では、データフィードの運用が重要ですが、公式アプリでは API 経由で広告プラットフォームと連携されるため、データフィードの調整ができません。
そのため、公式アプリを利用しながら、データフィードの調整を別途行うことで、広告パフォーマンスの向上が期待できます。
データフィードについて
データフィードとは?
データフィードは、媒体によっては「フィード」「商品フィード」「カタログ」とも呼ばれ、ECサイトが保有する商品データを、各広告媒体の仕様にあわせて変換したデータ、または変換・送信する仕組み自体を指します。
Googleショッピング広告、Meta Advantage+ カタログ広告、Criteoなどの、データフィードを使った広告を配信する際は、広告媒体の仕様にあったデータフィードを用意する必要があります。
データフィードの役割
データフィードは、広告において主に以下の 3 つの役割を持ち、成果を大きく左右します。
クリエイティブの要素
商品タイトル、商品画像、価格といったデータフィードの中に含まれる情報が、広告クリエイティブに反映されます。
広告エンジンの学習材料
カテゴリや性別、年齢層をはじめとしたデータフィードの中に含まれる商品の情報をもとに、広告のエンジンが機械学習を行い、広告の配信を最適化します。その結果、ユーザーひとりひとりに合った商品をレコメンドすることができます。
入札グループの区分
データフィードの項目をもとに商品をグルーピングし、広告キャンペーンを作成することができます。
たとえば、Googleショッピング広告では「カスタムラベル」というデータフィードの項目をもとに商品をグルーピングすることができます。
カスタムラベルに「夏」「春」といった情報を入力しておくことで、春向けの商品と夏向けの商品の広告キャンペーンを分けて運用することができたりします。
公式アプリとデータフィードの違い
公式アプリとデータフィードは、EC サイトの商品情報を広告プラットフォームへ送信する点は同じですが、商品情報のカスタマイズ性が異なります。公式アプリでは、「公式アプリが定めた仕様」に沿った商品情報が送信されますが、データフィードでは、自分で送信するデータの内容を自由度高くカスタマイズできます。
データフィードを作成・管理する手段としては、「自社開発」「外部ベンダーへ依頼」「データフィード管理ツール」などの方法がありますが、自社担当者の手元で作業が完結し、長期的・総合的に見て運用コストが低く抑えられる「データフィード管理ツール」の利用がおすすめです。
データフィード活用のポイント
データフィードを活用して、広告成果の向上をはかるうえで、重要になる原則が 3 つあります。
原則1:データフィードには可能な限り項目に値を追加する
データフィード広告の特徴として、送られた商品情報を元に媒体のエンジンが機械学習を行い、ターゲットに対して最適な商品をレコメンドすることが挙げられます。そのため、エンジンにできるだけ多くの情報を送信することが、成果改善において重要です。
媒体の仕様では、配信に必須の項目とそうでない任意の項目がありますが、任意項目にも情報を入れるようにしましょう。
原則2:エラーは最小限にする
媒体の仕様で必須とされている項目に値が入っていない場合など、媒体側でエラーが発生することがあります。エラーが発生すると、不承認になって商品が掲載がされなかったり、掲載が制限されることがあります。
エラーによって非掲載になる商品が多いと、その分機会損失につながりやすくなります。
なるべく全商品を掲載しておくことで、機会損失を防ぎ、全体のインプレッションを増やしましょう。
原則3:クリエイティブも意識する
データフィードの内容はクリエイティブに反映されます。特に、「タイトル」などはクリエイティブとして表示されたときの見え方も意識して調整を行いましょう。
データフィード最適化テクニック
商品名[title] 最適化
商品名[title]の最適化をはかる際は、以下のポイントを意識するのがおすすめです。
- ブランド名・製品名 の他、色・サイズなど製品の特徴を表す情報を登録する
- 検索語句と一致しやすい語句を登録する
- 商品名の先頭に重要な語句を登録する
また、媒体によっては、追加で以下のポイントも気を付けてみましょう。
- 【Google】上限の 150 文字(全角 75 文字)いっぱいまで情報を入れる
- 【Meta】長いタイトルは表示が省略されてしまうため、65文字未満にすることがおすすめ
アパレル商品(Tシャツ)の商品タイトルを最適化する例です。
- Tシャツ Pima Cotton →【公式】Fフォース Tシャツ メンズ ピマコットン
元のタイトルと比較して、最適化後のタイトルは
- ブランド名、性別、【公式】などのキーワードを追加
- 英語表記はカタカナ表記に直し、視認性を高める
といった改善が加えられています。
次に、食品(みかん)の最適化例です。
- 愛媛県産 夏みかん → 【産直】農薬不使用 夏みかん 3kg 愛媛県産 ジャムなどに
このときの改善ポイントは以下です。
- 「産直」や「農薬不使用」など、商品の強みとなる情報を追加
- 内容量や料理名など、ユーザーの関心を引く情報を追加することも有効
Google商品カテゴリ[google_product_category]
Google商品カテゴリとは、Google が定義する商品分類に基づき、商品を分類する項目です。Google だけでなく、Meta や Criteo も採用しています。
Google商品カテゴリは、複数の階層に分かれているため、なるべく詳細に設定するのがおすすめです。
例:MP3 プレーヤーの充電器の場合
- 電気製品
↓
- 電気製品 > オーディオ > オーディオ アクセサリー > MP3プレーヤー アクセサリー
また、Googleショッピング広告では、Google商品カテゴリの項目が空でも、Google Merchant Center 側で自動分類されます。ただし、意図と異なる分類をされるケースもあるため、データフィード側で任意の値を設定するのがおすすめです。
商品カテゴリ[product_type]
商品カテゴリは、独自の商品分類ができる項目です。入力する値は任意なので、Google商品カテゴリより細かい分類も可能です。また、自社サイトのパンくずリストに合わせて設定することもできます。
Googleショッピング広告では、商品カテゴリを使ってショッピングキャンペーンの入札単価やレポートを整理することができます。
また、Criteoでは、商品カテゴリを 3 階層まで設定することができ、同一の商品カテゴリの商品が 10 点前後ある状態が目安と言われています。
色 [color]、サイズ [size]、性別 [gender]、年齢層 [age_group]
これらの項目は、Googleショッピング広告において、ファッション・アクセサリーなどの商品では必須の項目になっています。
公式アプリ側でうまく値が登録できずに、Google Merchant Center でエラーとなることも多い項目なので、注意してみましょう。
データフィード最適化で広告成果が向上した事例
ここまで紹介したデータフィードの最適化によって、広告成果が向上した事例を 3 つご紹介します。
ジュエリーの事例(Google)
dfplus.io のマッピングとルール機能で、[size]には「フリーサイズ」を、[color]には「シルバー」などのように、データフィードの各項目に情報を分けて入れられるようになりました。
CPMは 3~4 割減、CPC は 3 割減したうえ、ROAS が大幅に上がりました。データフィードを充実させたことで Google 側の評価(品質スコア)が良くなり、入札単価が下がったためだと考えています。
また、(P-MAX の影響もあるかもしれませんが)imp は同程度の時期と比べると減ったにもかかわらずクリック数は増えていることから、集客効率が格段に良くなったといえると思います。以前は、imp は出ていましたが CV は非常に少なく、配信効率が悪い状態でした。dfplus.io で Google Merchant Center に連携するカラムを増やしたことで、無駄な配信が減り、ROAS の大幅改善に繋がりました。
出典:「EC のグロースにフィード広告は不可欠。」フィード改善で CPC 3 割減、ROAS 大幅アップを実現した「アドデジタル」のデータフィード戦略とは
アパレルブランドの事例(Google)
「ブランド[brand]」や「年齢層[age-group]」に固定値を入れたり、Shopify のメタフィールドを活用して「色[color]」に入れる値を設定したりしています。
代理店さんからのアドバイスで、「タイトル[title]」の英語表記をカタカナにするなどの最適化も行いました。
需要が同程度の時期と比べてクリック数が 160~220%と増加したほか、毎日安定して CV が発生するようになりました。以前は Google ショッピング広告経由の購入は日によってばらつきがあったので、嬉しい変化です。予算を増やすことも検討しています。
その他の指標についても、購入数が 110~120% に増加したり、ROAS が安定したりといった効果が見られました。
フィードの情報を充実させたことで、例えば結婚式や演奏会用のドレスを探しているような比較・検討層のユーザーへのリーチが効率的になったことが、成果改善に繋がっていると思います。
出典:タイトル改善で Google ショッピング広告のクリック数 220% を実現!Shopify で展開するデザイナーズブランド 「MURRAL」の dfplus.io 活用事例
アパレルブランドの事例(Meta、Google)
以下を dfplus.io のルール機能で行っています。
- 「Facebook & Instagram」アプリでは自動連携されない項目(サイズやカラーなど)の連携
- 商品名の最適化
- 製品番号(mpn)の追加
—連携する項目を増やした結果、広告の効果に変化はありましたか?
Meta 広告・Google ショッピング広告の広告費を、それぞれ 6 倍に引き上げましたが 400% のROAS を維持できています。
もともと、データの最適化ができたら、広告の出稿を増やそうと考えていました。データが整う前に出稿を増やさなかったのは、効果が出なかったときに何が要因かわかりにくくなるためです。
dfplus.io でデータを最適化できたことは、予算を大幅に増やしても ROAS を維持できていることに繋がっていると思います。
出典:データにもとづいた広告配信の ON/OFF を実現!Shopify でレディースファッションを販売する株式会社BFLAT のデータ活用術とは?
dfplus.ioについて
データフィード管理ツール「dfplus.io」で出来ることを、以下の動画を使いながらご説明しました。
質疑応答
公式アプリと dfplus.io の併用というのは、基本項目は公式アプリを使用して、カスタム項目は dfplus.io で設定するイメージでしょうか?
公式アプリができることとしては、以下の2つです。
1. データフィードの作成・プラットフォームとの連携
2. 広告タグの設置
「公式アプリと dfplus.io の併用」は、「1. データフィードの作成・プラットフォームとの連携」を dfplus.io で行い、「2. 広告タグの設置」を公式アプリに任せる形になります。
Google と Criteo では公式アプリの商品情報を置き換えるイメージ、Metaは補足フィードを追加するイメージです。
参考:Shopify ストアで dfplus.io アプリを使って Meta コマースマネージャのカタログに補足フィードを追加する方法 | dfplus.io Blog
dfplus.io のマスターデータに Shopify の「バリエーションID」の項目がありますが、商品ID 以外にこれを利用するのはどんなときですか
Shopifyの場合、バリエーションの商品ページのURLにバリエーションIDが含まれているので、バリエーションごとの商品リンクを生成するにはバリエーションIDを利用します。
参考:【Shopify】バリエーションの商品リンクを生成する – dfplus.io サポート
また、Google や Criteo の公式アプリで生成される商品ID に、バリエーションID の値が含まれています。よって、dfplus.io を使ってデータフィードを作る際、バリエーションID を使って、公式アプリで生成された商品ID の値を再現する必要があります。
参考:【Shopify】Google チャネルのデータフィードと同じ ID を設定する – dfplus.io サポート