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2022 年 4 月 20 日に開催した「Google ショッピング広告『伸びしろ発見』セミナー」では、Google ショッピング広告の成果を上げるためのフィード最適化について、ポイントや方法を解説しました。その内容をご紹介します。
Google ショッピング広告のおさらい
Google ショッピング広告(以下、ショッピング広告)とは、Google の検索結果に応じて、画像付きで表示される商品ごとの広告のこと。「すべて」タブ(通常検索)や「ショッピング」タブ、「画像」タブに表示されます。
「ショッピング」タブには、有料枠の「ショッピング広告」のほかに、無料枠の「無料リスティング」があります。「ショッピング」タブで、ショッピング広告の下部に縦スクロールで表示されます。
しかし、インプレッション数は無料枠:広告=1:20 と言われており、大きく差があるため、EC で集客・売上の向上を図るには、ショッピング広告に出稿するのがオススメです。
ショッピング広告の大きな強みとしてクリックの集めやすさがあります。その理由として、「広告の視認性が高い」「キーワードのカバー範囲が広い」ことが挙げられます。
- 広告の視認性が高い
検索結果が表示される画面に高い占有率で表示されるため、ユーザーの目に留まりやすくなっています。また、画像付きであることも視認性の高さに繋がっています。
- キーワードのカバー範囲が広い
リスティング広告は、キーワードを広告主(運用者)が設定するため、意図したユーザーに表示できる良さがある一方、設定したキーワード以外では表示されません。
これに対し、ショッピング広告は、表示対象となる検索キーワードが商品情報を元に自動で選定されます。そのため、表示対象となる検索キーワードを幅広く網羅することができます。
また、CVR が高いこともショッピング広告の魅力のひとつです。
リスティング広告は、クリックをすると LP やトップページに遷移し、お客様はそこから情報を集めて購入を検討します。これに対し、ショッピング広告は商品をダイレクトに訴求でき、商品詳細ページに直接遷移するため、購入までがスムーズで CV に繋がりやすいという特長があります。
配信までの流れ
ショッピング広告を配信するためには、以下の 3 点を準備する必要があります。
1.商品フィード
お持ちの商品データを Google が定める仕様に変換する。
※ここで作成するのがデータフィードと呼ばれるものです。
2.Google Merchant Center
データフィードを Google Merchant Center に登録し、審査を受ける。
審査に通過した時点で、無料リスティングへの掲載が開始されます。
3.Google 広告管理画面
ショッピング広告(有料枠)を出稿する場合は、Google Merchant Center と Google 広告を接続し、キャンペーンや配信設定を行う。
Google ショッピング広告の基本について、さらに詳しく知りたい方は、「Googleショッピング広告入門セミナー」のレポートをご覧ください。
「伸びしろ」はどこにあるのか
ショッピング広告についておさらいしたところで、次に「伸びしろ」を見つけていきます。
前述の理由から、多くの EC 事業者が Google ショッピング広告を実施していますが、「思ったより成果が良くない」「もっと成果を伸ばしたい」というご相談をよく頂きます。
「伸びしろ」を探す前に、「広告成果」とは何を指しているのか、因数分解してみましょう。
広告成果を左右する主な要素として、imp・CTR・CVR があります。これらを掛け合わせたものが「広告成果」といわれるものです。それぞれの指標に影響するものとして、次のものが挙げられます。
- imp(表示回数)
・掲載している商品数
・検索語句と商品フィードのマッチ率
・戦略に沿った入札調整
- CTR(クリック率)
・魅力的なタイトル
・魅力的な商品画像
・セール表示ラベル
→クリエイティブの要素が大きく関係します。各商品の特長をしっかり押し出せるクリエイティブを意識しましょう。
- CVR(購入率)
・商品ページの構造
・広告と遷移先ページの内容に乖離がないか
CVR は、ショッピング広告の配信の仕方(クリエイティブや入札)だけでは、伸長させることが難しい指標です。
そこで、今回は imp と CTR に絞って解説します。この 2 つは、商品フィードによる改善余地が大きいものの、改善しきれていないケースが多いのが現状です。
商品フィード最適化とは
そもそも商品フィードとは
商品フィード(データフィード)とは、各媒体が定めるフォーマットに合わせて変換・加工したデータファイルや、そのデータファイルに変換する仕組みのことを指します。
EC サイトをお持ちであれば、サイト構築のために商品データをお持ちかと思います。しかし、ショッピング広告に出稿するには、その商品データを Google が指定した形式に変換する必要があります。
成果事例
商品フィードの最適化によって、広告成果を改善した事例を 2 つご紹介します。
- ブランディングテクノロジー株式会社
中小・地方企業向けのブランド事業やデジタルマーケティング事業を行うブランディングテクノロジーでは、フィード管理ツールを導入したことで、能動的なフィード改善が可能になりました。
たとえば、「ブランド公式商品の商品タイトルの先頭に【公式】を付与する」「Google 商品カテゴリを 3 階層目まで入れる」などの処理を行い、その結果、ショッピング広告の成果が大幅に改善されました。
実践した最適化:
・商品タイトルの改善
・Google 商品カテゴリを詳細に設定
効果:
・CV が 2 倍に伸長、CPA は半減
・imp、CTR、CVR などほぼ全ての指標が向上
- 株式会社スタージョイナス
アパレルのセレクトショップ「FIGURE」を運営するスタージョイナスでは、1 人の担当者が手動で Google スプレッドシート上のフィードを管理していました。そのため、商品ごとの細かなイレギュラー対応に追われたり、マスタデータの加工で 1 日が終わってしまう状況でした。
ツール管理に切り替えてからは、週に 1 度以上、Google Merchant Center のエラー解消を行えるようになり、ほとんどの商品が掲載されるようになりました。
また、数値も大幅に改善し、ROAS は 200% から 510% に、広告経由売上は 8 倍以上を実現しました。
実践した最適化
・Google Merchant Center のエラーを解消し、掲載商品数を増やした
効果
・ROAS が dfplus.io 導入前の 200% から 510% に
・広告経由売上が導入前比 826% に(※予算は 3 倍)
商品フィード最適化テクニック
「伸びしろ」を見つけるチェックリスト
「商品フィードの最適化が重要なことはわかったけど、具体的に何をやればいいのかわからない」という方のために、ショッピング広告で見るべきポイントをまとめました。
ご自身の今の広告と照らし合わせて、「伸びしろ」を見つけてみてはいかがでしょうか?
不承認・エラーを解消して、掲載商品数を最大化できている(imp)
ショッピング広告を出稿するには、Google Merchant Center の審査に通過する必要があります。この審査に通らず不承認になった商品は、放置せず、出来るだけ全商品が配信されるように調整することをオススメします。
なぜなら、配信できる商品数が少ないと、機械学習が最大限に発揮されず、媒体のポテンシャルがわかりません。不承認になっている商品を配信したところ、売れ筋になったケースもあります。
機会損失を避けるために、不承認・エラーの理由を確認し、解消しましょう。
ここでは、よくあるエラーと解消方法を 3 つご紹介します。
- 「ショッピング広告ポリシーに違反しています」
Google ショッピング広告のポリシーに違反する商品が含まれている可能性があります。
該当商品がお酒、またはノンアルコール飲料の場合は、Google 商品カテゴリ を「食品・飲料 > 飲料> アルコール飲料」に設定し、年齢層を「adult」にすることで解消できます。
その他、絶滅危惧種の材料を使った商品なども禁止されています。
詳しくはショッピング広告のポリシーをご覧ください。
- 「画像のプロモーション オーバーレイ:商品画像リンク[image_link]」
特にアパレルでよく見られるエラーです。
商品の画像に宣伝文や透かしが入っているなど、Google の画像要件に違反している場合に表示されます。
画像を差し替えて再度 Google Merchant Center に商品フィードを取り込むことで解消できます。また、Google の画像改善機能を活用することもオススメです。
詳しくは商品画像の修正方法をご覧ください。
- 「値がありません: サイズ [size]、色 [color]、性別 [gender]、年齢層 [age_group]」
サイズ、色、性別、年齢層は、アパレルでは必須の項目です。
商品データに該当する項目がない場合は、まず商品データにこれらの項目を用意しましょう。
該当する項目がある場合は、商品フィードの各項目に紐づけし、再度 Google Merchant Center に取り込んでください。紐づけには、データフィード管理ツールがオススメです。
商品タイトルを最適化できている(imp・CTR)
クリエイティブの構成要素の中でも重要度が高く、かつ改善しやすいのが商品タイトルです。具体的な改善テクニックをご紹介します。
- ユーザーが知りたい情報やキーワードを盛り込む
→ブランド名、性別のほか、以下も購入の判断軸となりうるので重要です。
・公式商品であることを示すワード(【公式】など)
・内容量
・注文方法
・在庫の有無
・商品の強みを示すワード(【産地直送】【〇〇に最適】など)
- 特に重要な情報は冒頭に置く
→スマートフォンでは、冒頭しか表示されない(見切れてしまう)ので、特に訴求したい情報は頭に持ってきましょう。
- カタカナ表記を付ける
→ブランド名が英語であっても、カタカナで検索される可能性があります。また、視認性の観点からも、カタカナ表記に直す、もしくは併記するのがオススメです。
例:アパレル
アパレルの場合は、ブランド名や性別の情報が特に重要ですので、タイトルに含めるようにしましょう。また、「【公式】」のキーワードを入れたり、ブランド名をカタカナで表記したりするのもオススメです。
例:インテリア
家具・インテリアの場合は、サイズ、色、素材のほか、注文方法(例:「【予約】」)や【組み合わせ自由】などの情報も購入の判断軸になります。強調したい情報は、見切れないよう先頭に入れるようにしましょう。
例:食品
食品の強みやユーザーの関心を引く情報(【産直】、【農薬不使用】、【〇〇に最適】など)を追加しましょう。
セール表示が活用できている(CTR)
セール表示とは、商品画像の左上に「セール」のラベルが表示され、割引後の価格が強調して表示される機能のこと。
広告表示画面の中で商品を目立たせることで、CTR 向上が期待できます。
価格[price]とセール価格[sale_price]のどちらも入れておくようにしましょう。
Google Merchant Center では、セール表示を実施するには以下の条件を満たす必要があります。日数を要する条件もあるため、早め(目安:2 ヶ月)に準備しましょう。
- 過去 200 日間のうち、30 日間(連続している必要はない)は基本価格が設定されている
- 基本価格が有効である
- セール価格が基本価格より低い
- セールの割引率が 5% より大きく 90% より小さい
詳しくはセール価格情報についてをご覧ください。
Google 商品カテゴリ[google_product_category]が適切に設定できている(imp)
Google 商品カテゴリとは、Google の定義に基づいて商品を分類する項目のこと。「大分類>中分類 > 小分類」という階層構造になっています。小分類まで設定することで、商品の属性をより正しく・細かく Google に伝えることができ、imp の向上が期待できます。詳細に設定するようにしましょう。
Google 商品カテゴリの定義は、 Google 商品カテゴリをご覧ください。
商品カテゴリ[product_type]が設定できている(imp)
商品カテゴリは、Google 商品カテゴリと違い、サイトごとの独自の分類に基づいてカテゴリを指定できる項目です。フィードの情報をより充実させられるので、imp 向上が期待できます。
また、機械学習の精度を上げたり、入札調整に活用したりすることも可能なことから、Google 商品カテゴリと並んで重要な項目といえます。
入札調整に活用できるフィード項目が設定できている(imp)
Google 広告の管理画面内にて「商品グループ」を設定して、商品を分類することができます。「商品グループ」ごとに入札単価を設定することが可能です。
商品グループの分類に使えるフィード項目は以下の通りです。
- Google 商品カテゴリ
- ブランド
- 商品 ID
- 状態
- 商品カテゴリ
- カスタムラベル 0~4
商品カテゴリとカスタムラベルは、任意の値を入れることができます。これらの項目を設定しておくことで、柔軟な入札調整が可能です。
実際に活用例を見てみましょう。
- 商品カテゴリの活用例:
商品 A、B、C は Google 商品カテゴリだと同じ括りになってしまいますが、たとえば、商品カテゴリをパンくずリストに合わせて設定することで、別々の商品グループとして入札調整を行うことが可能になります。
- カスタムラベルの活用例:
価格は、商品グループの分類に使うことができません。セール商品かどうかを区別するカスタムラベルを設定し、商品グループを分類すると、セール商品だけ入札強化を行うことができます。
商品フィードの更新頻度が高く、情報の鮮度が保てている(CTR、CVR)
商品フィードを手動で管理・アップロードしている場合は、更新頻度が下がってしまいがちですが、更新頻度は広告成果に影響します。
なぜなら、更新頻度が低く情報の鮮度が保てていないと、次のような事態が起きてしまうからです。
- 売り切れの商品が広告掲載されてしまう
→クリックしたユーザーが離脱してしまい、CVR の低下に繋がります。また、売り切れの商品は、クリックされても購入に繋がらず、費用だけがかかってしまいます。
- 新商品の広告展開が遅れる
→機会損失に繋がります。
- セール情報の反映が遅れる
→セール中であることを伝えていれば、クリックにつながった可能性があります。
以上のことから、商品フィードを自動更新する仕組みを整え、更新頻度と情報の鮮度を担保することが重要です。
最適化に取り組むために
ここまで、商品フィード最適化の効果や Tips をご紹介しましたが、「そもそも商品フィードの編集の仕方がわからない」「大事なのはわかったけど、手が回らない…」という方へ、ツールによるフィード管理をオススメします。
ツール以外のフィード管理方法として、以下のようなものが挙げられますが、それぞれ最適化のハードルになりうる特徴があります。
- カート連携機能
・編集できる項目が少ない
・商品 1 点ごとに編集する必要がある
- システム開発
・改修に人的、金的、時間的コストがかかる
- アウトソーシング
・フィード改修の度に費用がかかる
・コミュニケーションコストがかかる
- 手動
・時間がかかる
・属人化しがち
これに対し、ツールでフィードを管理すると以下のようなメリットがあります。
- 最適化をスピーディーに、手元で実行可能
- 作業~運用まで、広告担当者の手元で完結
- 更新の自動化・頻度アップ
- 状況の可視化(=非属人化)
ぜひツールの導入も検討してみてください。
まとめ
Google ショッピング広告の効果を最大化するための最適化ポイントをご紹介しました。ご自身の商品フィードの「伸びしろ」を見つけられましたでしょうか?
データフィード管理ツール「dfplus.io」は 3 週間の無料トライアルのご用意もございますので、ぜひご検討ください。サービス資料のご請求、ご質問などは以下のフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。