導入事例インタビュー

「ヒットクリエイティブの科学的開発で獲得を底上げする」。
パノプトが考える、これからの時代の広告代理店像とは

株式会社パノプト
マネージャー 岡本 尚樹 様
  • 株式会社パノプト
    https://panopt.co.jp/
    2014年設立。「クリエイティブ/CXフォーカスで次世代の広告代理店像を創る」というミッションのもと、SNS広告・動画広告を中心にミドルファネルからの獲得を支援するサービスを提供している。
運用型広告において主業務とされてきた最適化・分析・レポート作成の工数を大きく削減するツールを自社開発するなど、コミュニケーション・クリエイティブ領域に注力するための仕組み作りや、その中でのdfplus.ioの役割、これからの時代に求められる広告代理店像についてお話を伺いました。

「いかにミドルファネルを攻略するか」

―まずはじめに、パノプト様の事業と強みについて教えて下さい。
私たちパノプトは、運用型広告の中でも、SNS広告・動画広告を中心にミドルファネルからの獲得を支援する事業を行っています。検索・リターゲティングといった下位ファネルの施策をやり尽くし、次のステップにチャレンジされたい広告主様を中心にご支援しています。

他社と比較したときの一番の強みは、マーケティングフレームワーク・クリエイティブトレンド分析・ユーザーボイス分析の3つの軸から、ヒットクリエイティブ開発への科学的アプローチを行っているところです。

具体的には、「商品特性分析を踏まえたコミュニケーション戦略設計」、「消費者の一日の行動を分析し、シーン・モーメント起点での訴求開発」、「収集したクリエイティブの中から、厳選した月間1000件ほどに対して、訴求・表現・心理テクニック分析を実施」「ソーシャルリスニング(ツイート分析)による訴求開発」といったアプローチを標準化することで、ヒットクリエイティブの再現性を高め、SNS・動画広告効果の改善、効果安定化を実現しています。

下位ファネルの取り組みに限界を感じ、SNS広告や動画広告へチャレンジを試みたものの思ったように成果を上げられなかった、といったお話は広告主様から良く聞くところかと思います。もちろん、商品特性やコンセプトといったそもそものケースもありますが、依然として、実務現場での意識・議論は、データをマネジメントする設計、最適化オペレーションに集まりやすく、支援する会社のアウトプット・スキルセットもそちらに偏りがちなことも一つの大きな要因であると捉え、その市場課題に向き合いたいというのが背景としてあります。

運用者スキル要件とリソース問題へ根本的にアプローチ

―効果的なクリエイティブを開発する仕組みを構築されている、ということですね!
―他にもそういった取り組みはありますか?
そうですね。先にあげたクリエイティブへ注力できる仕組みを整えています。

当然ながら、運用型広告に取り組む上では、データマネジメント・最適化のスキルが欠かせません。

当社は、Facebook広告運用の自動化ソフトウェアの開発から事業をスタートしており、創業時から、人がプランニング領域に注力できるよう、データマネジメントをコアなスキルとして磨いてきました。

具体的に、データ取得・レポート生成について外部ツールを採用せず自社開発することでコスト優位性をもたせるとともに、拡張性を実現しています。例えば、複数プラットフォームを横断した統計解析ダッシュボード、複数CVポイントへの重み付け、ファネル別クリエイティブ分析や訴求・表現分析など、自社でデータを取り扱うことで、データマネジメント上での様々なニーズにお応えできるようにしています。一定の品質担保が難しい運用・分析環境構築を仕組み化することで、運用者に求めるスキル要件とリソース問題の解消に根本からアプローチしているというわけです。

データフィード領域に関しては、自社で対応するよりもスタンダードな製品を採用すべきと判断し、dfplus.ioを導入し、フィードフォースさんとのつながりを持ったことで、一定の品質を担保できるようになりました。フィードについて気軽に相談できますし、手厚いサポートもあるので心強いです。
―ありがとうございます。お力になれて何よりです!

大型イベントの集客にダイナミック広告を活用

―dfplus.ioを導入された経緯について教えてください。
大型の展示会イベントを開催されているお客様の案件で、ダイナミック広告への出稿を検討したことが最初のきっかけです。イベントは月に200件ほど、全国各地で開催されているので、ダイナミック広告と相性が良いのではないか、という話になりました。
―なるほど。開催場所とテーマにバリエーションがあるので、ユーザーの居住地や興味に合わせて見せるイベントをパーソナライズできるということですよね。
その通りです。ただ、件数がものすごく多いので、入稿作業に工数がかかってしまう点と、イベントという性質上、広告の掲載期間をきっちり管理しなければいけない点がハードルでした。

dfplus.ioを使えばそのハードルを乗り越えられることがわかり、お客様とも同意がとれたので、導入を決めました。媒体の仕様に合うデータフィードを一括で作成・送信できるので入稿作業の手間もかかりませんし、日付計算機能を使うことで、掲載期間の管理も自動化することができます。
* 日付計算機能のほか、dfplus.ioの機能はサービス資料に記載しております。ダウンロードはこちら
―イベントの集客でダイナミック広告を活用されている例は珍しいかと思うのですが、他の広告と比べて成果はいかがでしょうか?
現在、Facebookダイナミック広告に出稿していますが、成果はかなり良いです。管理画面上の数値を見た場合、CPAが数百円台だったりします。

ラストクリックを基準に見た場合はリスティングの方が良いですが、Facebookダイナミック広告の媒体としての貢献度はお客様にもご理解いただけているので、継続して出稿しています。

強みを活かし、CX領域支援へ

―パノプト様の今後の展望について教えて下さい。
今後は、CX領域の支援へ取り組んでいきます。

広告による顧客獲得プロセスと、その後の顧客体験プロセスについて、広告主側においても支援会社においても業務領域・担当が分かれるケースが多かったと思います。

テクノロジーの発展によって、企業と消費者との様々なタッチポイントがデータで繋がる、その可視化ができる、メッセージ発信などのアクションを起こすことができる、という世界観において、分かれていた領域が繋がるようにもなってきています。

データマネジメントと分析、スピーディなメッセージ設計を得意とする我々としては、CX領域においても同様に強みが活きると考えています。

コンバージョン率改善という文脈でのCXツール導入や、SNS公式アカウント運用、ソーシャルリスニングなどから取り組み始めていますが、「CX」、「消費者との対話」という軸足で事業を展開していきます。

パノプトが考える、これからの時代に求められる広告代理店像とは

―最後に、パノプト様が考える「広告代理店の本質的な価値」とは何でしょうか?
今後もさらに消費者ニーズの多様化・細分化は進み、細やかなニーズに対応した商品やサービスを届ける企業も増えていくでしょう。マーケティング活動においても、画一的なコミュニケーションをとるのではなく、パーソナライズを実現したい企業側のニーズは増えていくと思います。

広告代理店として、もし、現在ご支援しているプロジェクトにおいて、求められるプランニング量が何倍にもなったとしたら対応できるでしょうか?簡単ではないと思いますし、そこに本気で向き合うのでれば、組織構造・テクノロジー基盤・スキルセットなど、根本からの再定義が必要となるのではないでしょうか。

当社は、その再定義に取り組むことで、プランニング、クリエイティブの質・量ともに業界標準を塗り替えることにチャレンジしています。人とテクノロジーの力でパーソナライズのニーズに応え、これからの時代に求められる新たな広告代理店像を体現していきたいと思っています。
―岡本様、本日はお忙しいところありがとうございました!
※この事例の内容は、2021年3月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※事例の内容は掲載時点のものです。