Pinterestからのオーガニック流入・広告流入の両方に効果的な「プロダクトピン」をご存知でしょうか?ECサイトであれば “やらない理由はない” として皆様におすすめしている無料の機能です。
「プロダクトピン」については、最適化によって成果改善の余地があるとされています。では、実際にどのような最適化でどの程度の改善効果があるのでしょうか?
今回dfplus.io チームでは、プロダクトピンの最適化ついて、海外インテリアセレクトショップ「N2 Interior」様ご協力のもと、検証を行いました。
プロダクトピンとは:オーガニック流入につながる機能
プロダクトピンとは、その名の通り「プロダクト=商品」の情報を表示するピン(投稿)です。
通常のピンとの違いは以下です。
- 商品名、価格、商品詳細、在庫状況など、情報が表示される
- 商品情報はECサイトと連動して自動更新
- 画像やボタンをクリックすると、ECサイトの商品購入ページに遷移
- データフィードの仕組みを使って自動生成される
商品をピンとして掲載しておくことで、ECサイトへのオーガニック流入が期待できます。また、プロダクトピンは「ショッピングアドソリューション」と呼ばれる複数の広告メニューにすぐに展開することができます。
プロダクトピンについての詳しい解説は以下の記事もご参照ください
どうすれば効果を最大化できるのか:フィードの最適化が重要
本題に入る前に、Pinterestプロダクトピンの仕組みについて少しおさらいしておきます。
プロダクトピンを利用するためには、Pinterest管理画面から商品データを登録することが必要です。このように、商品データをメディアに連携する仕組みを「データフィード」あるいは単に「フィード」と言います。
プロダクトピンには商品タイトル、説明文、画像URL、価格、在庫状況などが表示されますが、これらはあらかじめPinterest側に登録された商品データから引用されています。
また、商品データの情報は、ピンを表示するユーザー(配信先)の最適化にも関わっています。
つまり、フィードの内容を最適化することによって、クリエイティブや媒体に渡す情報の質が高まり、成果改善につなげることができます。
ピンタレスト社が作成した資料* の中でも、成果最大化の方法として、フィードの最適化が推奨されています。
実施したフィード最適化とその結果
今回の検証では、以下の最適化を実施しました。
- 商品タイトルにキーワードを追加する
- additional_image_linkを設定し、商品画像のバリエーションを追加する
- free_shipping_label、 free_shipping_limitを設定し、「送料無料」を表示させる
- 商品説明文に商品概要(色/サイズ/素材等)をすべて含める
- Product_typeに5階層を含める
- google_product_categoryに正しいカテゴリを反映
- その他任意項目の設定
- brand
- mpn
- item_group_id
- alt_text
- age_group
- color
- gender
- condition
フィード最適化を行う前後二週間で比較すると、次のような変化が見られました。
- 表示回数 1.3倍
- クリック数 1.9倍
- サイトへの遷移数 2.3倍
<担当者 横関のコメント>
フィード最適化を行うにあたって、「N2 interior様の商材やサイトの強み・特徴がユーザーに伝わること」「Pinterestのフィード項目の特性を把握すること」を念頭に置き、Pinterestで家具を探しているユーザーにインスピレーションを届けるクリエイティブを実現することを意識し、改善案を考えました。
結果として、プロダクトピン経由のサイト流入を底上げすることが出来ました。また、最適化を実施したその日から数値が伸びており、即効性があると感じました。
また、フィード最適化の余地はまだあると考えています。たとえば、レビュー情報の活用や、alt_textの設定、HTMLの説明文の追加などは、現状できていません。これらを実行した効果についても、今後検証していければと思います。
次の章からは、中でもインパクトが大きかったと考えられるフィード最適化を3つご紹介します。
商品タイトルにキーワードを追加する
最初に紹介するのは、「商品タイトルにキーワードを追加する」です。
商品タイトルの情報を充実させ、ユーザーの目に留まりやすいタイトルにすることで、CTRの向上などが期待できます。
ピンタレスト社の資料の中でも、「文字数が40文字以上のアイテムは購入件数が1.7倍に増加する傾向」*といった報告がされています。
<担当者 横関のコメント>
商品タイトルにはもともと、「Cloud コーヒーテーブル」といった、LPと同じシンプルなタイトルが入っていました。情報を充実させるために、「ステンレス」「モダン」「北欧家具」「新作」「韓国」といったキーワードを追加しました。また、キーワードの間をスラッシュで区切ったり、順番を入れ替えて見やすくする、といった工夫も行いました。
追加するキーワードの候補としては、商品の「カテゴリ」「サイズ」「色」「素材」「性別」「年齢層」といった情報が挙げられます。その中でも、「ユーザーに検索されるキーワード」をきちんと盛り込んでいくのが重要です。
商品画像のバリエーションを追加する
次に紹介するのは「商品画像のバリエーションを追加する」です。
プロダクトピンでは、メインの商品画像の他に、サブの商品画像を「additional_image_link」という項目に追加することが出来ます。商品画像を追加することで、1つのピンの中で複数の画像を閲覧することが出来るようになり、ユーザーに商品の情報がより伝わりやすくなります。
<担当者 横関のコメント>
最適化を行う前は、メインの商品画像だけが設定されており、「additional_image_link」は設定を行なっていませんでした。商品データを確認したところ、別の角度から撮影した画像や、実際の使用イメージの画像などが見つかったので、これらを「additional_image_link」に追加しました。
ある程度の規模感のECサイト様であれば、一つの商品に対して複数の画像アセットを持たれているケースも多いかと思います。Pinterestはビジュアルによる訴求が非常に強いプラットフォームですので、画像アセットの活用は特に重要です。基本的に、使える画像はすべてフィードに入れておくことをおすすめします!
「送料無料」を表示させる
最後に紹介するのは「送料無料を表示させる」です。
送料無料であることをピンの中で訴求することで、ユーザーの目に留まり、CTR・CVRなどの向上が期待できます。ピンタレスト社の資料でも、「送料無料の商品は購入数が2.4倍高くなっています」*との記述があります。
「送料無料」を表示させる方法は2通りあります。ひとつは、「free_shipping_label」という項目を使う方法です。対象商品の「free_shipping_label」に「True」と入力することで、「送料無料」が表示されます。もうひとつは、「free_shipping_limit」という項目を使う方法です。「free_shipping_limit」に送料無料が適用される最低購入金額の数値を入力することで、「¥〇〇以上の購入で送料無料」という表示がされます。
まとめ
今回の検証で、「フィード最適化によって、プロダクトピンの効果は改善でき、結果としてオーガニック流入増につながる」ということがわかりました。中でもクリエイティブ部分はCTRに直結するので、改善によるインパクトが大きいと考えられます。
なお、今回のフィード最適化は、データフィード管理ツール「dfplus.io」を使って行いました。dfplus.ioは、Pinterestに正式対応しており、プロダクトピンの成果改善のためのデータフィード最適化が簡単な操作で実現できます。
参考:dfplus.io サービス資料請求フォーム
以上、皆様のご参考になれば幸いです。検証にご協力いただいたN2 Interior様には御礼申し上げます。
* 「Feed Optimization Playbook」より