Instagramショッピング活用で、ユーザーと偶然の出会いを。Instagram広報 市村様 インタビュー(後編)

コラム
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「Instagramショッピング」とは、Instagramでのフィード投稿やストーリーズに、商品の価格や詳細情報を表示でき、ECサイトにも誘導できる機能です。無料で提供されているということもあり、ネットショップを持つ各社で導入が進んでいます。

今回、Instagramショッピングについて、フェイスブック ジャパン社広報の市村 怜子様にインタビューを行いました。前編では、Instagramショッピングの背景と、そのカギとなる「カタログ」について伺いました。本記事では後編として、具体的なショッピング投稿のコツや、フォロワーが少ない・運用メンバーが少ないなどの課題について取り上げます。

お答えいただいた方:
市村 怜子様 フェイスブック ジャパン社 Instagram広報
フェイスブック ジャパン社にて、Instagramの広報を担当。2016年に入社以降、「ストーリーズ」のローンチ、Instagramのアプリアイコン変更、Live、そしてInstagramショッピングなど、Instagramの大きな変化に立ち会う。「2016年から2017年にリリースされた機能はその前の5年分より多い」というほどの目まぐるしい変化の中で、新機能の情報やInstagramコミュニティ(利用者)のトレンドなどを広報として伝えている。

「名前は知らないけど好き」小さなブランドとの偶然の出会いを加速する、Explorer(発見タブ)のショッピングチャンネル

知名度のあるブランドは、ブランド名を直接検索して見つけてもらうことができますが、「名前は知らないけれどカワイイ」というような、小さいけれど魅力的なブランドが、Instagram上にはたくさんあります。そんな小さなブランドとの偶然の出会いを増やせるのが、Explorer(発見タブ)のショッピングチャンネルです。

Explorer(発見タブ)のショッピングチャンネル(画像引用:Facebookニュースルーム

Explorerでは、その利用者がフォローしてない情報を主に表示しています。ショッピングチャンネルにはショッピング投稿だけが表示されるので、利用者から見ると、Instagram内でウィンドウショッピングをしているような感じですね。企業からすると、フォロワー以外にもリーチしてチャンスを拡げることができます

―Explorer のショッピングチャンネルで表示されるようにするにはどうしたら良いのでしょうか?

まず大前提としてショッピング投稿をする必要があります。ショッピング投稿の中から、各利用者にとって興味のありそうな投稿が表示されます。様々な要素を考慮してパーソナライズしていますが、いくつか例をあげると、その利用者がフォローしているアカウントと類似したブランドの投稿や、友達が「いいね」やコメントなどエンゲージしているコンテンツなどを表示しています。

エンゲージメントとは「いいね」やコメント、動画の視聴時間などですが、これがとても大事なんです。フィードに投稿が表示される順番や、ストーリーズの並び順は時系列ではなく、利用者に関連性が高いものを上に表示する仕組みです。エンゲージメントは、利用者がどのようなコンテンツに興味を持っているかを知るための重要なシグナルなので、普段から利用者がよくエンゲージしているアカウントの投稿は、フィードでも上の方、ストーリーズでも前の方に出ますし、ショッピングチャンネルでも表示されやすくなります。逆に、フォロワーの数が多かったとしても、フォロワーがあまり反応していなければ、投稿自体が目にふれにくくなってしまいます。

フォロワーが少ない、運用メンバーが少ない。Instagramショッピング導入を躊躇している方へ

もちろんフォロワー数は一つの指標ではあります。しかしそれ以上に、利用者にとって意味がある・価値がある情報を意識することが重要です。

皆さんご自身の生活を考えても同じだと思いますが、忙しい毎日の中で、フィードを全部見る時間がない利用者もたくさんいます。その中で、いかに発見してもらうかが大事なのです。
そのためには「いいね」はもちろん、コメントを引き出すような投稿やキャプション、ストーリーズでアンケートスタンプを使う、色々な長さの動画を試すなど、いかに利用者と対話をするか、エンゲージメントを増やすかに尽きます。特に、動画は非常に伸びてきているので是非試していただきたいです。

―とはいえ動画を作るのもけっこう大変です…。運用メンバーは何人くらい居ると良いものでしょうか?

Instagramアカウントの運用体制は、本当にケースバイケースです。大企業でもInstagram運用業務は他の業務と兼任ということもありますし、逆にスタートアップが戦略的に専任の担当を置くこともあります。ただ、日本のブランドやメディアにお会いして話を聞いている限り、何人ものメンバーからなる専任チームがあるのはまれです。

私たちとしても、「Instagramだけに注力できない」という企業に、どのように手軽にマーケティングに活用いただけるかを考えて開発しています。たとえばビジネスプロフィールは、アプリ内で広告出稿したりインサイトを見たりと、接客の合間にも使っていただけるように機能を設計しているのです。

フォロワーが少ない・専任担当がいない、そんな企業でも活用いただけるように改善を続けていますので、まずはできることから始めてみていただきたいです。

Instagramショッピング投稿の最適な内容と頻度、ストーリーズ活用法

Instagramショッピング投稿の最適な内容や頻度は、ブランドのターゲット層や価格帯、商材やフォロワーとの関係などによっても変わってくると思いますので、いわゆるゴールデンルールや ”正解”はありません。色々な投稿を試してインサイトを確認し、ご自身のブランドにとっての最適解を探すことが結果的には近道になります。

ただ、誤解されている方も多いかもしれませんが、Instagramの投稿のために、凄く綺麗な写真やテレビCM並みの動画が必要なわけではありません。数年前と比べると、綺麗なだけの写真や動画が人気を得るトレンドは変わりつつあります。むしろ、そういう投稿は既にInstagram上にいっぱいあるので埋もれてしまうんです。特にストーリーズでは作り込んでいない、リアルなものが人気です。

例えば、フィードでは製品カタログのような写真や、モデルがポーズを取った格好いい写真を投稿し、ストーリーズではその舞台裏や、撮影中にワイワイやっている様子などをラフな動画で投稿するなど、使い分けをするととても効果的です。例えば人に当てはめて考えても、一方向から撮った完璧なポーズだけではなく、普段の姿を見られたり、声が聞けたりと色々な面が見えることで、ファンとしても親近感がわきますよね。逆に、取り繕っているような感じは見ている人にも伝わってしまいます。

―少ないリソースで色々な投稿を試すためにも、カタログ管理などの自動化できる部分はツールに任せたいですね。

どなたでも簡単にInstagramカタログを作成・運用できるツール dfplus.io はこちら

Instagramの”センス”問題と、ショッピングを今すぐ始めることで得られるもの

最近ストーリーズで見られるような解像度の粗い、あるいはユルい動画や写真は、以前のInstagramでは考えられなかった人もいると思います。でも今は、そういった遊び心のある投稿をストーリーズで見慣れているので、フィードにそのぐらいユルい動画が出てきても受け入れられる。

こういうトレンドは、Instagramを日々使っていないとわかりません。何が人気かを肌で感じて、色々試していただくのが重要です。企業の担当の方がInstagramのアカウント運用や投稿そのものを躊躇してしまう気持ちもわかるのですが、迷っている間に試したほうが成果が出ますし、センスやコツは後からついてくると思います。
実際、成果を出している企業さんは新しい機能をフットワーク軽く試しています。

2年前にストーリーズがローンチされた際、すぐに取り組んだ企業は現時点で2年分のノウハウがあり、それはストーリーズ広告や、ストーリーズでのショッピング展開において、大きなアドバンテージに繋がっています。
Instagramショッピングも今始めればアドバンテージになりますし、逆に、始めなければ出遅れてしまいます。引き続き弊社としてもショッピングに注力しているので、是非今のうちにはじめていただきたいと思います。

※この記事は、2018年12月に行われたインタビューを元に作成されています。
※この記事の初出は「Feedmatic Blog」です。

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