Instagram ショッピング(ShopNow)は、Instagram ならではのビジュアルで、ブランドの世界観や商品の魅力を伝えながら、シームレスな購買体験を提供できる人気の機能です。
広告と異なり無料で始められることから、EC 事業者を中心に導入がすすみ、多くの Instagram ショッピング投稿を見かけるようになりました。
一方で、導入準備には何が必要なの?という声も耳にします。
本記事では、Instagram ショッピングを始めるにあたり、知っておきたい基本と導入方法について解説します。また、重要となるカタログ作成のヒントや、データフィードを活用する効果についてもご紹介します。
Instagram ショッピング(ShopNow)とは?
Instagram ショッピングとは、オーガニック投稿に商品名や価格などの商品情報が表示されたタグをつける機能です。タグをタップすると Instagram の商品詳細ページが表示され、そこから EC サイトに遷移し、利用者は商品を購入することができます。
Instagram ショッピングの機能に必要なカタログ(商品データ)を準備しておくと、個人ユーザーが自分の投稿に商品タグを追加することもできます。UGC 活用の観点からも、Instagram ショッピングは取り組みたい機能です。
EC サイト担当者なら知っておきたい Instagram ショッピング 3 つの特徴
1. 6,600 万人以上の Instagram アクティブユーザーにアピール
Instagram の日本国内におけるアクティブユーザー数は、月間 6,600 万人以上(※)とみられます。
これだけのアクティブユーザーに対して Instagram ショッピングを活用した投稿をすれば、自社の商品が多くのユーザーの目に触れる可能性があります。
※Meta Marketing Summit Japan 2023|「人と人のつながりがチャンスになる」より当社が推計
2. 広告ではないため、費用がかからない
Instagram ショッピングの利用に費用はかかりません。そのため、導入しやすい施策です。
3. ユーザーが商品を「発見」してから「購入」までがシームレスに繋がる
Instagram で商品を「発見」し、価格や商品の詳細を閲覧して購入を「検討」、リンクから外部 EC サイトに遷移し、投稿で見た商品をそのまま「購入」することができるシームレスなショッピング体験を提供できます。
より便利に、そして新たな「出会い」の創出
Instagram ショッピングでは、ショッピング体験をより便利にする機能や、フォロワー以外の人との「出会い」につながるしくみが用意されています。
ビジネスプロフィールに表示される「ショップボタン」をタップすると、ショッピング機能を利用して投稿された商品がオンラインカタログのように一覧で表示されます。
気になる商品のブックマークアイコンをタップすることで、「ショッピングコレクション」に保存し、後からゆっくり詳細を確認し購入を検討することができます。
また、既存のショッピング投稿を広告として配信できるため(※)、さらに多くの潜在ユーザーにリーチすることできます。
※ショッピング投稿を広告として配信する方法は以下の記事をご覧ください。
Instagram ショッピングを始めるには?
Instagram ショッピングを始める要件は以下のとおりです。
- Facebook および Instagram のポリシーに準拠していること
- 該当するビジネスとドメインに紐づいていること
- 所在地がコマースを利用できる国や地域であること
- 信頼性を示すこと
- 正確な情報を提供し、ベストプラクティスに従うこと
※参考:コマースの利用要件 | Instagram ヘルプセンター
まず、自社のビジネスや取扱い商材が Instagram ショッピングの利用条件やポリシーに則しているかを確認しておきましょう。
ここでは、「2.該当するビジネスとドメインに紐づいていること」の導入準備について解説します。
Instagram ビジネスアカウントを用意する
Instagram ショッピングを始めるには、Instagram アカウントをビジネスアカウントに移行する必要があります。ビジネスアカウントに切り替える方法は Meta のヘルプページをご覧ください。
※参考:Instagramでビジネスアカウントを設定する | Metaビジネスヘルプセンター
ビジネスアカウントに移行すると、ビジネスツールが利用可能となり、連絡先情報の追加、 投稿とフォロワーに関するインサイトの表示などができるようになります。
※参考:Instagram ビジネスツール | Instagram ヘルプセンター
Facebook ページとリンクする
Instagram ビジネスアカウントとビジネスに関連付けられた Facebook ページをリンクします。詳しい手順は Meta のヘルプページをご覧ください。
※参考:FacebookページからInstagramアカウントをリンクしたり、リンクを解除したりする方法|Metaビジネスヘルプセンター
Facebook カタログを準備する
Facebook カタログ(以下カタログ)とは、商品データを格納する場所です。Instagram ショッピングで紹介したい商品のデータを格納する倉庫のようなイメージです。
ここでは、Meta ビジネスマネージャ(※)にて、Instagram ショッピングで利用するカタログを作成し、作成したカタログにデータフィードを利用して商品データを追加する方法を解説します。
※Meta ビジネスマネージャとは、Facebook 広告の作成や Facebook ページ・Instagram プロフィールの管理など、Facebook を活用したマーケティング活動を一元管理できる管理ツールです。
Facebook カタログを作成
Facebook のビジネスマネージャーから、[カタログ] を選択後、カタログマネージャーの [Create Catalog(カタログを作成)] を選択します。
Eーcommerce(E コマース)を選択します。
「商品情報をアップロードする」を選択し、任意の名前をつけカタログを作成します。
これでカタログが作成できました。次に「カタログを見る」を選択して、作成したカタログに商品情報を追加していきます。
Facebook カタログに商品情報を追加する
作成したカタログに画像や価格、説明などの商品データを、データフィードを利用して追加します。
「カタログの利用方法」から「Instagramショッピング」ー「商品を追加」をクリックします。
データフィードを利用して商品を登録する場合、「一括アップロードする」を選択します。
データフィードを利用して定期的に商品情報を更新する場合は、「スケジュール設定したフィードを利用」を選択します。
データフィードのアップロード先 URL を指定します。
アップデートのスケジュールを設定します。
データソースに任意の名前をつけ、通貨を「JPYー日本円」に設定します。
「アップロード」をクリックすると商品データのアップロードが始まり、数秒〜数分で完了します。これでカタログの準備が完了です。
Instagram ビジネスアカウントと Facebook カタログとリンクする
カタログマネージャーで、「利用方法」を選択し、Instagram ショッピングの「プロフィールをリンクする」をクリックします。
「新しいInstagramビジネスプロフィールを追加する」をクリックします。
Instagram ビジネスアカウントにログインします。これで Instagram ビジネスアカウントと Facebook カタログがリンクされました。
審査
以上の準備ができたら、Instagram アカウントにて審査を依頼します。
審査はたいてい数日で完了しますが、それ以上の日数がかかることもあります。
Instagram ショッピングでデータフィードを活用するメリット
Instagram ショッピングを利用するには、Meta 社のデータ形式に合わせたカタログの作成が必要です。
カタログ作成には、いくつか方法があります。
- 手作業:管理画面から 1 つ 1 つ商品名や価格などの情報を入力する
- ファイルの一括アップロード:カタログの形式に合わせた商品データを用意してアップロードする
- データフィード:データフィード管理ツールを使ってカタログを管理・自動更新する
また、カタログ作成には 3 つのポイントがあります。
- カタログ(商品データ)を最新の状態に維持
新商品をすぐにショッピング機能で投稿可能になります。また、最新の在庫情報を反映させることで、在庫切れになった商品のタグを自動で非表示にできます。
- Instagram ショッピングに合わせたカタログを用意
投稿に表示できる商品タイトルには制限があるため、重要な要素を前半に配置することが有効です。商品画像や商品情報の内容も、効果を高めるために最適化したい部分です。
- 効果測定用の URL パラメータ設定
Instagram ショッピング投稿の効果測定を正しく行うために、計測用 URL パラメータの付与が必要です。
まずは手作業で運用してみるのもよいですが、カタログを最新の状態に維持するには、商品の追加・変更のたびに作業をすることが必要です。しかし、これは負担がかかる作業のため、更新が遅れて在庫切れ商品のタグが表示されると、ユーザーが購入しようとしたのに在庫切れでがっかり……という悪い体験を提供してしまうかもしれません。
Instagram ショッピングにおいて、特に取扱い商品が多いケースでは、データフィードを活用することで、以下のように効率的な運用が可能になります。
- 商品データの一括登録・自動更新
多数の商品データを一括して登録できます。また、商品データの定期的な更新により、新商品の追加や価格変更、在庫切れ商品の削除など、最新の情報と連動した効率的なカタログ運用ができます。 - 効果測定
Instagram のインサイトで確認できる指標は限定的です。計測用の URL パラメータを設定することで、購入の成果を追うことができます。 - クリエイティブの最適化
投稿に表示されるタグの情報はカタログがもとになります。「タイトル」などは文字数が限られるため、大事な情報は先頭に記載するなど、商品の魅力を伝えられるようにカタログを最適化することで、効果を高めることができます。
データフィードを自社開発で用意することも可能ですが、専用の管理ツールを導入することで、開発工数や期間を圧縮しながら運用環境を用意することができます。
Instagram ショッピングに正式対応しているデータフィード管理ツール「dfplus.io」を使うと「Facebook カタログ」を簡単に作成することができます。
3 週間の無料トライアルもあるので、Instagram ショッピングの活用に興味がある方は、お気軽にご相談くださいませ。