※2020年7月1日 Instagramショッピングの利用要件改訂伴い、追記
Instagramショッピング(ShopNow)は、Instagramならではのビジュアルで、ブランドの世界観や商品の魅力を伝えながら、シームレスな購買体験を提供できる人気の機能です。
広告と異なり、無料ではじめることができることからも、EC事業者を中心に導入がすすみ、今では多くのInstagramショッピング投稿をみかけるようになりました。
一方で、導入準備には何が必要なの?という声も耳にします。
本記事では、これからInstagramショッピングを始めたい企業マーケターにむけて、知っておきたいInstagramショッピングの基本と導入方法、データフィードを活用することで効率的かつ効果的に活用するヒントについて解説したいと思います。
Instagramショッピング(ShopNow)とは?
シームレスな購買体験の提供
Instagramショッピングとは、Instagramのオーガニック投稿に商品名や価格などの商品情報を表示させるタグをつけ、タグをタップすることによって、商品詳細ページへ誘導し、そのまま利用者に購入を促すことができる機能です。

Instagramで商品を「発見」し、価格や商品の詳細を閲覧して購入を「検討」、リンクから外部ECサイトに遷移し、投稿で見た商品をそのまま「購入」することができるシームレスなショッピング体験を提供できる
より便利に、そして新たな「出会い」の創出
Instagramショッピングでは、より便利なショッピング体験を提供するための機能やフォロワー以外のより多くの人との「出会い」につながるしくみが用意されています。
ビジネスプロフィール上に表示される「ショップボタン」では、ボタンをタップするとショッピング機能を利用して投稿された商品がオンラインカタログのように一覧で表示されます。
気になる商品のブックマークアイコンをタップすることで、「ショッピングコレクション」に保存し、後からゆっくり詳細を確認し購入を検討することができます。
「Explorer(発見タブ)のショッピングチャンネル」では、ショッピング機能を利用したさまざまな投稿がユーザーの興味関心にあわせてレコメンド表示されます。
ショッピングチャンネルでは自身が未だフォローしていないが、フォローしているアカウントと類似したブランドの投稿や、友達が「いいね」やコメントなどエンゲージしているコンテンツなどが表示されるため、新しいブランドや商品との出会いの創出に繋がります。
既存のショッピング投稿を広告として配信することもできるため、さらにより多くの潜在ユーザーにリーチすることできます。
買うと決まっているものを検索してカートに入れるのとは違って、偶然のめぐり合いで商品を発見したり、予定していなかったお買い物をするというのが、Instagramではメインのユースケースだと思います。(フェイスブック ジャパン社 広報 市村 怜子様)
また、USでは先行してInstagramチェックアウトがリリースされています。Instagramチェックアウトとは、Instagramを離れることなくアプリ内でセキュアに決済が可能となる機能です。将来的には日本国内でもリリースされることが予想されます。そうなると、Instagramはユニークなコマースプラットフォームとしてさらに活用機会が拡がっていくのではないでしょうか?
Instagramショッピングを導入するには?
Instagramショッピングを始めるための要件をみてみましょう。
- Facebookの提供者契約とコマースポリシーに準拠していること
- 主に有形商品を販売していること
- Instagramビジネスアカウントがあること
- Facebookページがリンクされていること
- ビジネスアカウントがFacebookカタログにリンクされていること
大前提として、自社のビジネスや取扱い商材がInstagramショッピングの利用条件やポリシーに則しているかを確認しておきましょう。(上記1.2.)
ここでは、主に上記要件の3.~5.の導入準備について解説していきます。
Instagramビジネスアカウントを用意する
Instagramでは、Instagramアカウントをビジネスアカウント(プロアカウント)に変換し、ビジネスプロフィールを設定することで、Instagramショッピングをはじめとしたビジネスツール(連絡先情報の追加・広告出稿・インサイト・Instagramショッピング)が利用可能となります。
Facebookページとリンクする
Instagramビジネスアカウントとビジネスに関連付けられたFacebookページとをリンクします。
Facebookカタログを準備する
Facebookカタログ(以下カタログ)とは、商品アイテムの情報を格納するコンテナです。Instagramショッピングで紹介したい商品データを格納する倉庫のようなものとイメージするといいかもしれません。
ここでは、Facebookビジネスマネージャ※で、Instagraショッピングで利用するカタログを作成し、作成したカタログにデータフィードを利用して商品情報を追加する方法を解説します。(※商品情報の追加にデータフィードを利用することのメリットは後述します。)
※Facebookビジネスマネージャとは、Facebook広告の作成やFacebookページ・Instagramプロフィールの管理などFacebookを活用したマーケティング活動を一元管理できる管理ツールです。
Facebookカタログを作成
Facebookのビジネスマネージャーから、[カタログ]を選択後、カタログマネージャーの[Create Catalog(カタログを作成)]を選択します。
Eーcommerce(Eコマース)を選択します。
「商品情報をアップロードする」を選択し、任意の名前をつけカタログを作成します。
これでカタログが作成できました。次に「カタログを見る」を選択して、作成したカタログに商品情報を追加していきます。
Facebookカタログに商品情報を追加する
上記で作成したカタログに画像や価格、説明などの商品データのリスト(データフィード)を利用して商品情報を追加します。
「カタログの利用方法」から「Instagramショッピング」ー「商品を追加」をクリックします。
データフィードを利用して商品を登録する場合、「一括アップロードする」を選択します。
データフィードを利用して定期的に商品情報を更新する場合は、「スケジュール設定したフィードを利用」を選択します。
データフィードのアップロード先URLを指定します。
アップデートのスケジュールを設定します。
データソースに任意の名前をつけ、通貨を「JPYー日本円」に設定します。
「アップロード」をクリックすると商品データのアップロードが始まり、数秒~数分で完了します。これでFacebookカタログの準備が完了です。
Facebookカタログとリンクする
InstagramビジネスアカウントとFacebookカタログをリンクします。
カタログマネージャーで、「利用方法」を選択し、Instagramショッピングの「プロフィールをリンクする」をクリックします。
「新しいInstagramビジネスプロフィールを追加する」をクリックします。
Instagramビジネスアカウントにログインします。これでInstagramビジネスアカウントとFacebookカタログがリンクされました。
審査
以上の準備が整った後、Instagramアカウントにて審査の依頼を行います。
審査はたいてい数日で完了しますが、それ以上の日数がかかることもあります。
Instagramショッピングの利用要件を改訂、より多くのビジネスが利用可能に
2020年6月23日、Instagramショッピング機能の導入に必要な要件の改訂を実施し、利用可能な業種の拡大について発表がありました。
今回の利用要件改訂により、コマースポリシーに準拠している商品が1つ以上あり、要件を満たすビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントであれば、ショッピング機能が利用できるようになります。
また、登録フローも更新され、明確なガイダンスが提示され、ショッピング機能を利用できる業種がわかりやすくなります。登録後承認されなかった場合についても、却下された理由が明確に表示され、異議を申し立てて再審査のリクエストを出すことも可能になります。
併せて最新のコマースの利用要件も更新されています。この要件は、Instagramショッピングに限らず、将来的に、コマース機能を持つFacebookのプラットフォームで商品を販売するすべてのビジネスに適用される予定とのことですので、Facebookショップの利用要件も含めて統一していくと考えられます。
Instagramショッピングとデータフィード活用のメリット
Instagramショッピングにおいて、特に取扱い商材が多いケースでは、データフィードを活用することで効率的かつ効果的な運用が可能になります。
- 一括登録・一括更新:多数の商品データを一括して登録できます。また、商品データの定期的な更新により、新商品の追加や価格変更、在庫切れ商品の削除など在庫情報と連動した効率的なカタログ更新ができます。
- クリエイティブの最適化:投稿上に表示する商品タイトルや商品画像、商品詳細情報はデータフィードのカラム情報をもとに表示されます。これらの情報を最適化することで訴求力を高めることができます。
- 効果測定:Instagramのインサイトで確認できる指標は限定的です。計測用のURLパラメータを設定することで、購入までの成果を追うことができます。
Instagramショッピング用のデータフィードは、自社で保有する商品データをもとにInstagramショッピングの仕様に対応したデータフィードを用意します。
データフィードを自社開発で用意することも可能ですが、データフィード運用のアウトソース型サービスや、SaaSの導入によって開発工数や期間を圧縮しながら柔軟な運用環境を用意する方法が一般的です。
お役立ち資料ダウンロード(無料)
Instagramショッピングの概要から導入時のつまづきやすいポイント、導入効果や有識者インタービューまで、”なんとなく”ではない戦略的なアカウント運用を叶える Instagramショッピング活用についてまとめています。是非ご参考ください。
