データフィードとは?というブログ記事は既に世の中にたくさんあるわけですが、2018年一発目の記事ということで(?)、dfplus.ioブログでも勇気を出して発信しておきたいと思います。
(※編注:2022年10月に考察された最新のデータフィード市場に関する記事もぜひご覧ください!)
既にフィード広告に慣れ親しんでいる皆さんにとっては「何をいまさら」感もあろうかと思いますが、データフィードはなかなかに多様な役割を持ち、一言で説明しづらいものでありながら、それでいて重要な存在です。
この記事では、一般的な定義をなぞるだけではなく、データフィードが持ついくつかの側面にフォーカスしてご紹介できればと思います。
社内での啓蒙活動、重役へのエレベーターピッチ、夕食の団欒時、同窓会などで説明を行う際の参考になれば幸いです。dfplus.io、本年もよろしくお願いします。
ではさっそく。
データフィードが示すもの
データフィードはその言葉の通り、データをフィード(供給)するもの、です。
フィード広告という視点から見ると、
商品データ(人材系なら求人、不動産系なら賃貸物件など)を広告媒体に供給する仕組み、およびその仕組みで供給された商品データ
を指して使われています。
いちばんよく使われている説明だと思います。確かに「何か」と言われればこういう「データ送信システム的なもの」になります。
データフィードの実体
「データを定期送信する仕組み」の部分は目に見えませんが、「最終的な実体(のようなもの)」はあります。
媒体によって列の数や形式は多少異なりますが、多くの場合でこういうファイルが作成されます。この1行1行が一つの商品ですね。
このファイルが広告媒体に取り込まれると、対象の商品群をフィード広告で使用できるようになります。
ちなみに各列の title
や description
のことを「項目」とか「フィード項目」とか呼んだりします。
データフィードの役割
フィード広告運用は下記2つの運用の組み合わせで行います。このどちらが欠けても上手くいきません。
- データフィード運用
- キャンペーン運用(広告媒体の管理画面で行うもの)
実際に予算を入れて広告配信をスタート/停止したり、入札単価を設定したり、といった部分が「キャンペーン運用」側にあるため、フィード広告の運用=媒体管理画面でのキャンペーン運用と捉えられがちですが、それだけでなんとかしようとすると早晩壁にぶち当たります。やりたいことをやるためには、データフィード側での操作が必要なのです。
データフィードを適切に取り扱うと、最終的には広告のパフォーマンスを向上させることが可能です。が、冒頭でもお伝えした通り、この記事ではもう少し分割して役割を考えてみようと思います。
いろんな切り口があるとは思いますが、ざっくりと4つほど挙げてみました。
役割1. フィード広告の訴求対象候補をリストする
まずはこれ。データフィードがないとフィード広告を開始できません。
また、単に商品データを送り付ければよいか、というとそうではなく、各広告媒体が求める形式になっている必要があります。
例えば、使用できる選択肢(在庫アリは in stock
という単語で表すなど)が決まっていたり、禁止されている表現(ショッピング広告だと商品名に セール などの記載はNG
など)があったりします。
この形式に則った(仕様に合わせた)情報を提供していないと審査でNGになってしまい、広告として使用することができません。
いくら100万件の商品を保有していても、多くの商品で必須項目が空白だったり不備があったりして、100件しか審査OKにならなければ、100件分しか広告配信されないわけです。これは非常にもったいない。
なので、データフィードは広告で訴求したい対象商品を確保する役割を担っているといえます。
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役割2. 広告クリエイティブ(の大半)を定義する
広告バナーに表示される価格やタイトルは、データフィードに依存します。
なのでデータフィード内の商品情報が各媒体の特性に沿っていなければ、思うようにクリックされなかったりするわけです。
鉄板の話でいうと、商品名に目を惹く要素をちゃんと含める、というのがあります。
例えば、Fフォースというブランド
の 男性向け
で色は青
、Sサイズ
キャンバス生地のスニーカー
、を訴求することを考えたときでいうと、
左図のように商品名そのものだけを表示している状態より、右図のように商品名項目に「ブランドやサイズ、色など、消費者の購買判断の助けになるような情報を加える」というテクニックですね。
また、媒体によっては 35%OFF
とか セール
のような文字列を商品名に含めてもよいケースもあります。
もちろん語順や含める要素の選択は商品特性などにもよりますし、長くなると省略される場合もあるので、この辺は何度か調整前提で考える方がよいと思います。なかなかに工夫のし甲斐があるところです。
役割3. キャンペーン運用での選択肢を広げる
前述の通りフィード広告を運用するためのレバーは大きく2種類あります。
- データフィード運用
- キャンペーン運用(広告媒体の管理画面で行うもの)
この2つはそれぞれが完全に独立しているわけではありません。
キャンペーン運用側である操作を行う際、データフィードの値を使用する必要があるなど、依存関係があります。
わかりやすい例でいうと、入札調整を行うグルーピングをデータフィードのカテゴリ項目で設定する、というものです。
例えば、アパレルの商品を扱っているとします。
データフィードで設定されているカテゴリが、アウターもインナーもトップスもボトムスも全部「衣料品」カテゴリになっていて、そのグループでしか入札調整ができないとすると、ちょっとおおざっぱすぎる気がしますよね。これはちょっと極端な例ですけど。
また、運用の方針によっては、価格帯とかブランド単位で強弱付けたいこともあるでしょう。それもすべてデータフィード側で事前にデータを補完しておく必要があります。
逆に言うと、しっかり準備しておけば広告運用の幅は大きく広がることになります。
そういう意味で、データフィードはキャンペーン運用の選択肢を広げる役割を担っているといえます。
役割4. 広告媒体の最適化を推進する
各広告媒体の最適化エンジンは日々進化していて、今やこのエンジンに上手く乗っかっていくことがフィード広告で成功するポイントになってきています。逆に手動ですべてをコントロールしようとしすぎてしまうと、エンジンの邪魔をしてしまってトータルでの成果に悪影響があることもあります。
運用担当者の姿勢としては、「自分で最適化する」より「広告媒体が最適化しやすい判断材料を提供する」という方が近しいように思います。
広告媒体の最適化を推進し、パフォーマンスを引き出していくための定石はこんな感じです。
- 対象となる商品をたくさん媒体に提供する
- 商品の特徴を表す属性(柄、サイズ、色など)の種類を増やす
- その属性の質を高める(正確で、より詳細な情報にする)
そしてこれらはどれも、データフィード運用の範疇なのです。
あわせて読みたい
機械学習エンジンの活用例については下記のインタビューでも話題に上がっていますので、あわせてどうぞ。
広告プロダクト毎に最適化のロジックは異なるため、広告プロダクトが違えばフィードの構成も変える必要があるという前提があります。
まとめ:データフィードだいじ
データフィードの役割を1枚の図にまとめてみました。だいじですデータフィード。
イメージでいうと、データフィード運用をハンドル役、キャンペーン運用をアクセル役としてフィード広告運用を捉えるとわかりやすいように思います。
データフィードが何者で、どんな役割を担っているのか、どのくらい重要なのか、についての理解を深める助けになればうれしい限りです。
これを機に「データフィードにいっちょテコ入れしてみようかな」という気になった方はぜひ dfplus.io の無料トライアルもご検討ください。

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それではよいデータフィードライフを!